CRA新卒/転職:MSDの評判や年収について徹底解説
どうも、はるきちです。
私は以前CROでCRA、チームリーダーを担当しており、現在は外資系製薬メーカーでオンコロジー領域のStudy Managerを担当しています。
今日は、人気の大手外資系製薬メーカー MSDのCRAについてご紹介したいと思います。
MSDは、CRAを新卒でも採用する年があり、かつ定期的に中途採用もかけていますね。
当社のCRAに興味がある方は、是非ご一読ください。
MSDとは
会社名 | MSD株式会社 |
本社 | 〒102-8667 東京都千代田区九段北一丁目13番12号 北の丸スクエア |
資本金 | 263億49百万円(2020年12月31日現在) |
従業員 | 約3,200人(2021年4月1日現在) |
親会社 | Merck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A. |
事業概要 | 医療用医薬品、ワクチンの開発・輸入・製造・販売 |
MSDは、USに本社を置く大手外資系製薬メーカーです。
重点領域は、
- がん
- プライマリーケア(糖尿病、不眠症など)
- スペシャリティ(HIVをはじめ様々な感染症や急性期疾患)
- ワクチン(子宮頸がんなどのHPV関連疾患、肺炎球菌感染症、ロタウイルス胃腸炎、B型肝炎など)
となっています。
2004年に万有製薬がメルクの完全子会社になり、メルク日本法人という位置づけになりました。
その後、2009年にメルクがシェリング・プラウを買収したことにより、日本では万有製薬とシェリング・プラウ日本法人が統合し、現在のMSD株式会社になっています。
2021年には、婦人科領域、長期収載品、バイオシミラー事業をスピンオフしています(新会社名:オルガノン)。
そのため、現時点ではメルクの医薬品事業は新薬の開発・販売に特化しています。
メルクとシェリング・プラウの統合後、MSDはキートルーダの上市成功により、会社の売上も大きくなりました。現状、臨床試験の数は多いですが、キートルーダ単剤、又はキートルーダとレンビマ(エーザイ)、リムパーザ(アストラゼネカ)の併用試験が多く、個人的には、やや面白みに欠けるラインナップになっています。
本社がある北の丸スクエアは地下鉄 九段下駅直結であり、通勤には非常に便利な場所にあります。
MSDの業績推移
2018~2021の決算資料に基づき、当社の売上と純利益を以下の表に纏めています。
売上は、日本円に換算して5兆円台をキープしており、非常に安定しています。かつ右肩上がりで業績で良くなっていますね。
2018 | 2019 | 2020 | 2021 | |
---|---|---|---|---|
売上 (Dollars in Millions) | 42,294 | 46,840 | 47,994 | 48,704 |
売上 *2022/4/1時点の1$=122円で日本円に換算 | 5兆1,598億円 | 5兆7,144億円 | 5兆8,552億円 | 5兆9,418億円 |
親会社に帰属する純利益 | 6,220 | 9,843 | 7,067 | 13,049 |
2021年の決算資料から、2021年の当社のグローバルにおける売上の画像を貼付しています。
売上ベスト3は
- キートルーダ
- ガーダシル
- ジャヌビア
となっています。
キートルーダは免疫チェックポイント阻害剤の市場を制し、2兆円製品になりましたね。2021年は、ブロックバスター(年間売上10億ドル以上)が5個という結果になっています。
AnswersNewsによると、2020年の売上ランキングは、ロシュ、ノバルティスに次いでグローバルで3位でした。
先日の日刊薬業の記事によると、2021年のメルクの売上は、ファイザー、アッヴィ、ヤンセンに抜かれ、グローバルで6位となっています。
社風
社風は落ち着いており、離職率が非常に低いことで知られています。
外資系製薬メーカーの中では、MSDとバイエルの2社は離職率が低いこと有名ですね。
離職率が低いことは良いことではありますが、ポストの数は限られていますので、ある程度の離職率があった方が良いと私は思っています。
また、社内公募が非常に盛んで、自分のキャリアを叶えやすい会社のうちの1つだと思います。
CRAの採用
MSDは、新卒でCRAを採用している年もありますし、中途については1~2年に1回ぐらい採用をかけている印象があります。
中途採用についてはCRO出身者も応募可能ですし、実際に社内には元CROのCRAが一定数います。
これは私見ですが、MSDは他の外資系製薬メーカーより採用基準がやや厳しい印象があります。
3年ほど前に、大手外資系製薬メーカー数社と国内中堅製薬メーカーがオンコロジーCRAを募集している時期があり、その時にMSDもCRAの中途採用の募集をかけていました。
私の知り合い数名が上記の大手外資系製薬メーカー数社と国内中堅製薬メーカーに同じぐらいのタイミングで応募したところ、全員ともMSDの書類選考を通過することができませんでした。
(そのうちの1人は、大手外資系製薬メーカーから内定を獲得し、無事入社)
複数の転職エージェントからの情報によると、中途採用の社員についても、他社よりも学歴を求める傾向にあるようですので、偏差値が高い大学を出ていないと書類選考が通りにくい傾向があるのかもしれません。
なお、業界全般として、2010年代中盤頃まではアウトソースが主流であり、製薬メーカーのCRAの中途採用が激減していた時期がありました。
ただし、近年は、
- アウトソースするより、社内で雇用する方が低Costである
- 社内に一定数のCRAがいる方が、社内にナレッジが蓄積できる
- アウトソースする場合、CROとの契約やCRAへのトレーニングに時間を要することがあるため、社内にCRAがいた方が迅速な対応が可能である
という理由により、CRAの中途採用が増加傾向にあります。
MSDでは社内のCRAの数がそこそこ多く、中途採用が定期的に出ていることより、CROからも転職が狙えます。
製薬メーカーに転職したい人で、MSDに興味がある人は、積極的にチャレンジしてみてください。
CRAの労働環境
人により業務量のバラツキは多少ありますが、全体的には業務量は適正だと思います。
19:00までにはほとんどの人が業務を終え、夜遅くまで仕事をしている人がほとんどいないようですので、良い環境だと思います。
CRAの仕事には波があります。施設立ち上げの時期とData Base Lockの時期は忙しいと思いますが、慢性的に激務となる環境ではないと思います。
2022年のゴールデンウイーク明けからは、なんと週3日の出社が義務付けられているそうです。
これは開発に限った話ではなく、全社的な取り組みのようです。
コロナの流行により、新しい働き方が生まれたにも関わらず、週3日の出社はかなり多いような気がします。
CRAの年収
CRAの年収は、製薬メーカーの中で中の上ぐらいに位置すると思います。
ただし、MSDに限った話ではありませんが、面接でよほど高い評価を得ない限り、CRO出身者が製薬メーカーに転職して、転職時に年収がドーンと上がる可能性は低いと思われます。
年収だけを見ると、SyneosやLabcorpに転職した方が、転職時の年収は良いと思います。製薬メーカーに応募する際は、製薬メーカーで何がしたいかをしっかりと考えて応募するようにしましょう!
求められる英語力
CRAであれば、そこまで高い英語力は求められませんので、メールの読み書きができれば実務上は問題ありません。
ただし、募集要項の中に
『海外ベンダー等と英語で直接コミュニケーションが行える(読み書きに支障がないレベル)ション能力(Speaking重要)』
との記載がありますので、選考においては英語のSpeakingも重視して見られることになります。
まとめ
今日は、MSDのCRAについて見てきました。
今日の考察をまとめると、
- 試験数は多いが、キートルーダ単剤、又はキートルーダとレンビマ(エーザイ)、リムパーザ(アストラゼネカ)の併用試験の割合が多く、やや面白みに欠ける
- 離職率が低い
- 社内公募が盛んである
- 業務量が適正
- 2022年ゴールデンウイーク明けから、週3日は出社する必要がある
- 年収が比較的高い
となります。
MSDの求人は、以下の転職エージェント5社であれば取り扱いがあると思いますので、興味がある方は是非登録してみてください!
なお、中途採用は通年で募集があるわけではありませんので、事前に転職エージェントに登録して、求人が出るまでにしっかりと準備を行う必要があります。
では!
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません