CRCさんの仕事はかなり激務!SMOのCRCさんから転職の相談をされた時の話を公開!
どうも、はるきちです。
以前、大手外資系CROでCRAをやっていた時の話ですが、担当していた施設のSMOのCRCさんから転職の相談をされたことがあります。
私自身、CRCの経験が無いため、実務上のことを全て把握しているわけではありませんが、CRCさんの業務を見ていて大変だなと思うことが多々ありました。
今日は、相談された話を含め、SMOのCRCさんの業務内容について書いてみたいと思います。
SMOのCRCってどんな仕事?
CRCとは『Clinical Research Coordinator』の略で、日本語では『治験コーディネーター』と言います。
施設によっては、『SCさん(Study Coordinator)』とも言います。
CRCには主に2種類あり、治験実施医療機関の職員である『院内CRC』とSMOに所属している『SMO CRC』があります。
CRCさんの業務は治験に関する医師の業務サポートメインで、主に以下の業務が挙げられます。
・EDCの入力
・院内の他部署との調整(薬剤部、看護部、検査部など)
・患者さん対応
・CRAとのやり取り
・候補症例のピックアップ
CRCさんは、医師や患者さんとのやり取りが多く、医師や患者さんのスケジュールに合わせて行動しないといけないため、お昼を食べる時間が無いことも多々あるようです。
CRAが施設にコンタクトする際は、要件によって、医師・CRCさん・薬剤部・事務局・検査部などコンタクト先が変わりますが、CRCさんへのコンタクトが一番多いと思います。
コンタクトする量が多い分、関係が拗れると仕事がやりづらくなるから、人間関係には要注意だね!
今日は、SMOのCRCさんにフォーカスして見ていきたいと思いますが、一般的には院内CRCよりもSMOのCRCの方が気苦労が多くて、ストレスがたまりそうな印象があります。
私が、担当施設で相談された内容はだいたい以下の内容ですが、これは多くのSMO CRCに当てはまるのではないでしょうか。
- 年収が低い(持っている資格や経験にもよって異なるが、400万代のCRCも多くいる。)
- 施設の先生、薬剤部、院内CRCに気を遣わなければいけない。
- 担当CRAが依頼者のCRAであった場合は、依頼者にも気を遣わなければいけない。
- 患者さんと接する仕事であり、患者さんからもクレームが入らないように気を遣わなければいけない。
- 患者対応やEDC入力など、業務量が多い。
- 症例登録の進捗が悪いと、治験依頼者や社内の上司からもプレッシャーを受ける。
私の不満はだいたいこんなところなのですが、はるきちさん、CRAさんの業務ってどうな感じですか?CRAにキャリアチェンジしようと思っています。
え!?CRAにキャリアチェンジするんですか?CRAも大変ですが、お勧めできる仕事ですよ。あと、聞いた感じだと、多分のCRAの方が年収は高いと思います。
年収は、CRAさんの方が高いと思います。転職エージェントに相談したら、多分年収は200万ぐらい上がると言われました。今どのCROに応募するか迷っているのですが、年収が高いCROはどこですか?
そんなに上がるんですね!経験や能力により異なりますが、一般的には大手外資系CROが年収が高い傾向にあります。内資系は全体的に高くはありませんが、リニカルは結構年収が高いと聞きますね。
年収が低い。
持っている資格や経験にもよりますが、総じて年収は低いです。
CRCさんがCRAに転職するケースはたまに聞く話で、大手外資系CROに私が在籍していた時は、社内にも元CRCが結構いました。
CRC経験を生かせる一番手っ取り早い方法ですので、CROに転職する理由も頷けます。
どこのCROに転職するかにもよりますが、年収は一般的にCROの方が高いと言えます。
施設内での立ち回りにも苦労する。
全体的な傾向としては、SMOのCRCさんは院内でも立場が強くないため、院内スタッフに対してはかなり気を遣っています。
院内のCRCさんに『先生』付けで呼んでいるケースもありますよね。
ただし、例外的に、院内スタッフばりに力をもったSMOのベテランCRCさんもたまにいます。
治験依頼者にも気を遣わなければいけない。
SMOは治験依頼者から費用の支払いを受けていますので、治験依頼者のCRAよりも立場が低いです。
そのため、治験依頼者のCRAの言いなりになっているケースもあります。
CROのCRAとは対等、またはCRAの方が少し立場が低いようなイメージですね。
業務量が多く、ハードワークである。
業務量はかなり多く、正直なところ、年収とのバランスが取れていません。
バタバタ走っているCRCさんを見ると、本当に忙しそうだなと思いますね。
あと、SMOのCRCは、立場上ミスが責められやすいという難点もあります。
SMOのCRCの不正行為が数年おきに発覚していますが、そうなってしまう背景としては、何かミスをすると、
- 先生から怒られるかもしれない
- 逸脱を報告すると、事務局から怒られるかもしれない
- 治験依頼者のCRAさんからも、責められるかもしれない
という心理が働いているものと、私は推察ています。
この行為自体は当然許されるものではありませんが、このような心理が働き、不正行為に走る気持ちは理解できる部分があります。
ちなみに、院内CRCは院内の職員であり、ミスを犯した場合でも責められづらい立場にあることより、私は院内CRCによる不正行為を耳にしたことがありません。
SMO業界に対して懸念されること
治験実施医療機関の支援をSMOさんに依頼する場合に、SMOの営業さんから見積もりを入手し、費用を確認しています。
今、製薬メーカーもCostに対してかなり厳しくなっているため、少しでも高いとSMOに対して減額を要求します。
短期的目線の製薬メーカー 自社の利益を考えるとそれで良いのですが、SMO業界は薄利多売状態で、利益率もかなり低いです。
世間での一般論として、低利益体質の業界に優秀な人が集まるか、というと、答えは『No』ですよね。
値下げすることが定常化してしまった今となっては時既に遅しかもしれませんが、ある程度の利益率を確保できるように治験依頼者も費用を出すべきだと思いますし、そうでないと優秀な人が集まらなくなります。
そうなってしまうと、治験のQualityが下がり、最終的には治験依頼者にそのつけが返ってくると思います。
SMOのCRCからのCRAへのキャリアチェンジ
私のまわりにもCRCからCRAにキャリアチェンジされた方がいましたが、このキャリアチェンジはお勧めできる転職です。
CRAの経験が無かったとしても、CRC経験があればCRAの業務にもすぐに馴染めると思います。
私に相談頂いたSMOのCRCさんも実際に大手外資系CROに入社されましたが、CRC経験があることより、CRAの業務にもすぐに馴染めたようです。
CROのCRAに転職できれば、その後はCRO業界内や製薬メーカーにも転職することが可能ですので、生涯年収に大きな差が付きます。
私の知り合いの中に、
SMO CRC→大手外資系CRO→大手外資系製薬メーカー
というキャリアの人が実際にいますので、CROで頑張って能力をつければ、製薬メーカーへの転職も可能です。
まとめ
SMOのCRCさんの中には、『CRAに転職したら、私もあんなにペコペコしないといけないの?CRAさんは本当に大変そう…』と思っている人もいると思います。
頭を絶対に下げたくないという人はCRAにはなれませんが、年収と業務量のバランスややりがいを考えるとCRAは良い職業だと思います。
Syneosでは、CRAでも1,000万狙えますし、おそらくSMOにいたらかなり上までいかないと1,000万いかないですよね。
キャリアチェンジする場合、『年齢』も非常に重要な要素となります。
若ければ未経験の職種へのキャリアチェンジが可能ですが、CRC経験があるとは言え、35歳以上になるとかなり厳しいと思います。
ですので、CRAへのキャリアチェンジに関わらず、未経験の職種にトライする場合は1歳でも若い時に決断すべきですね!
では!
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