CRA新卒/転職:外資系CRO ICON(アイコン)の評判や年収について徹底解説

2023年2月15日

どうも、はるきちです。

私は以前CROでCRA、チームリーダーを担当しており、現在は外資系製薬メーカーでオンコロジー領域の臨床開発に携わっています。

この記事では、大手外資系CROのICON(アイコン)について書いてみたいと思います。

アイコンは新卒採用・中途採用でCRAを募集している会社ですので、当社への応募を検討している方は是非ご覧ください。

アイコンとはどんな会社?

会社名株式会社アイコン・ジャパン
住所(東京オフィス)〒105-0001​ 東京都港区虎ノ門四丁目3番9号​ 住友新虎ノ門ビル6階(受付)
住所(大阪オフィス)   〒541-0056​ 大阪市中央区久太郎町4-1-3​ 大阪センタービル11階(受付)
事業内容1.医薬品、医療機器、再生医療等製品、ワクチン等にかかる臨床開発、市販直後調査、製造販売後調査、臨床研究等の受託事業
2.労働者派遣事業

アイコンは、アイルランドが本社を置く大手外資系CROです。

アイコンと言えば、もともと規模が大きな会社でしたが、2021年に外資系CROのPRAを買収しました。

この買収は、CRO業界内で起きた久々のビックディールで、inVentive(インベンティブ)とINC(アイエヌシー)が合併し、Syneos(サイネオス)が誕生した時以来のビックディールです。

アイコンがPRAを買収した後の日本法人ですが、元PRAの小川氏が社長に就任しています。

小川氏は武田薬品で要職を歴任後、PRAで代表取締役社長に就任し、その後アイコンでも社長に就任しています。

アイコンは買収した側で、PRAは買収された側ですが、どうやら日本法人の社内はPRA主導で運営されているようで、日本法人の上層部はPRA出身者が大半を占めているようです。


日本法人の本社は、東京都港区の住友新虎ノ門ビルにを構えています。

大阪にもオフィスがあり、CRAは東京と大阪の2拠点で活動しています。

はるきち

日本法人の本社が入っている住友新虎ノ門ビルは、日比谷線「神谷町駅」徒歩2分、南北線「六本木一丁目駅」徒歩11分の立地です。

買収されたPRAとはどんな会社?

では、次に買収されたPRAについて見ていきたいと思います。

PRAは、アメリカに本社を置く大手外資系CROです。

2020年の会社売上は$3,183.3 millionで、アイコンよりも若干売上が高い会社です。

PRAと言えば、私は『武田薬品』を思い出しますが、武田薬品とPRAで合弁会社(武田PRA開発センター株式会社)を設立し、武田薬品は開発の社員の多くを武田PRA開発センター株式会社に譲渡しました。

そう言う背景もあり、PRAには

  • 武田PRA開発センター株式会社(武田薬品とPRAの合弁会社)
  • PRA Health Science

という2社が存在していました。

2019年には、PRA Health Scienceが武田PRA開発センター株式会社の全株式を取得し、完全子会社化しています。

この完全子会社化をもって、譲渡された武田薬品の社員は、完全にPRAの一員となりました。

はるきち

このニュースは私にとっては非常にショッキングだったのを覚えています。誰もが羨む大手製薬メーカーに入れたとしても、一寸先は闇ですね。この時に、武田薬品の開発からは多くの人が退職しています。

業績推移

2018~2021年の決算資料をもとに、アイコンの売上、営業利益、営業利益率、最終利益を以下の表に纏めています。

2021年は、PRAを買収したことにより、売上が約2倍に増加しています。

はるきち

本業の儲けを表す営業利益率は、2018年~2020年は良好な値で推移していますね。2021年は、6.9%と多少落ち込みが見られています。

2018
2019
2020
2021
*PRA買収
売上
($ in millions)
2,595.72,805.82,797.25,480.8
売上
*2022/4/1の為替 1$=122円で日本円に換算
3,166億円3,423億円3,412億円6,686億円
営業利益
($ in millions)
373.3433.4391.5378.5
営業利益率14.3%15.4%13.9%6.9%
最終利益
($ in millions)
322.6373.9332.9153.1

他の大手外資系CROとの比較

2021年の大手外資系CRO各社の売上、営業利益、営業利益率、最終利益を以下の表に纏めています。

なお、日本ではIQVIAが世界一位のCROという印象を持たれていますが、総売上だけで見ると世界一位はラボコープとなります(ラボコープは、Central Lab事業がメイン)。

はるきち

こうして表すると、LabcorpとIQVIAの会社規模は頭ひとつ抜けていますね。

LabcorpIQVIAICONSyneos
売上
($ in millions)
16,120.913,8745,480.85,213
売上
*2022/4/1の為替 1$=122円で日本円に換算
1兆9,667億円1兆6,926億円6,686億円6,359億円
営業利益
($ in millions)
3,259.51,393378.5389.3
営業利益率20.4%10%6.9%7.5%
最終利益
($ in millions)
2,379.5971153.1234.8

ビジネスモデル

アイコンはグローバルで事業を行っており、主な事業は以下の4つです。

  • モニタリング
  • Real World Data
  • Central Lab
  • Central imaging


モニタリングについては、治験依頼者の指示のもとでCROの名刺で仕事を行う受託型と、製薬メーカーにCRAを派遣する派遣型の2つのタイプがありますが、アイコンでは両方のビジネスモデルを展開しています。


更に、受託型には「フルアウトソース試験」「ハイブリッド型試験」がありますが、アイコンではどちらのモデルも受託しています。

外資系CROで働くことの大きな魅力の1つとして、フルアウトソース試験に携われることが挙げられます。

また、アイコンでは治験国内管理人の試験も受託しています。

はるきち

CROへのフルアウトソース試験や治験国内管理人の試験は、治験依頼者に近い業務が経験できます。今後のキャリアにもプラスになると思いますので、CROのチームリーダーの人は積極的にトライしてみてください。

年収

アイコンは、中途採用の経験者CRAにはかなり高年収を提示しているようで、おそらくサイネオスやラボコープと同等、もしくは少し安いぐらいの水準だと思います。

具体的には、Senior CRAで年収 1,000万(残業代込み)いくかどうか、という水準ではないでしょうか。

また、中途のマネージャー職の年収も高く、1,000~1,500万の水準です(前職年収・経験 / 能力による)。

その一方で、新卒CRAはあまり給料が上がらず、それが不満になって、退職している人も多いようです。

退職した人の多くは、高年収を求めてサイネオスかラボコープに行きそうな感じですね。

CROは同じ業務をしていても、会社によってかなり年収が違い、同じRoleで比べた場合に外資と内資で200~300万ほどの年収の開きがあります。

求められる英語力

医薬品開発の仕事では、英語を高頻度で使いますし、Globalとのテレカンも定期的にありますので、高い英語力が求められます。

これは、臨床開発職全般に共通して言えますし、リーダークラスやマネージャークラスの求人ではTOEIC 800点前後が求められています。

実際に、TOEICで800点無くても問題ありませんが、要はGlobalとのテレカンでしっかりとコミュニケーションが取れるだけの英語力が求められますので、日ごろから英語の学習を継続しましょう。

まとめ

この記事ではアイコンについて書いてみました。

2023年2月時点では、年収アップを求めてアイコンに転職している人が結構多いようですね。

CRO業界は転職するだけで年収が200万前後は上がる業界ですので、転職が非常に盛んです。

CROは、会社ごとに強みや特色がありますので、転職を検討している人は転職エージェントに登録して、情報を取りに行ってみてください。

では!

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