日本イーライリリー Clinical Development Consultant(CDC)について考える。

2020年1月26日

日本イーライリリーには、Clinical Development Consultant(CDC)というRoleがあることを皆さんご存知でしょうか?

非常にユニークなRoleで、私が知る範囲ではこのRoleを置いているのはイーライリリーのみとなります。

私の知り合いでCRO→日本イーライリリーに転職し、このRoleを担当している方がおりまして、詳しい話を聞いてきましたので、今日はCDCについて書いて行きたいと思います。

ちなみに、ちょうど今募集が出ているみたいですので、応募を検討されている方、又は既に応募済みで年明けに面接を控えている方は是非ご一読ください。

CDCのResponsibilityとは?

CDCって何すんの?

まずそこが気になるところだと思いますが、イーライリリーの採用ページではCDCのResponsibilityとして以下が記載されております。

【主な職責/Job Responsibilities】
• 実施医療機関との良好な関係を構築し、Lilly/CROと医療機関の間で試験が円滑に進むようリードする。
• 開発計画の初期段階において、日本における試験デザインおよび実施可能性へのインプットを行う。
• 試験計画に沿って多くの症例登録が可能な実施医療機関を探索し、その施設におけるポテンシャルの維持・開拓を行う。
• 臨床試験計画毎、および 実施医療機関毎における 正確な症例登録計画を立案し、確実に遂行する。
• 実施医療機関における治験データの質を適切に担保する。
• 医療現場におけるニーズや患者さんのニーズを収集し、社内医師や社内臨床試験実施チームに確実にフィードバックする。
• 日本イーライリリー臨床開発本部の代表として、リリーブランドの構築に貢献する。 


採用ページには上記が掲載されておりますが、わかりやすく実務とし記載すると、

• 治験実施医療機関及び治験責任医師の選定を行う。
• 治験実施医療機関の立ち上げ業務を行う。
• Enrollmentを促進し、Timelineにmeetするよう担当施設をManageする。
• 治験責任医師及び治験分担医師からのMedical needsを自社にFeedbackし、今後の開発戦略としてInputする。
という感じのようで、上記がCDCの主な業務となります。

イーライリリーはCDCという特別なRoleを配置しているため、基本的に1施設に対して2人担当者がいて、CDCとCRO-CRAで協業していくというのがイーライリリーの方針のようです。

人間同士ですので合う合わないがあったり、担当者が2人いることによる弊害も生まれそうですが、今のところはこの方針のようです。

どのような経験があれば、CDCになれるのか?

募集の時期により求めるスペックにやや違いあるかもしれませんが、現在出ている募集の要件は以下となります。

【Required Experience: (mandatory for hiring)】
=担当課長/専門課長=
•5年以上の臨床開発経験かつ3年以上のモニター経験(施設選定及び立ち上げ、症例登録経験を含む)
•CROのみ経験の場合は、5年以上のモニター経験かつ複数の国際共同試験の経験(施設立ち上げ及び症例登録の経験必要)

=担当=
•3年以上の臨床開発経験あるいは3年以上のモニター経験(施設選定及び立ち上げ、症例登録経験を含む)
•CROのみ経験の場合は、3年以上のモニター経験かつ1つ以上の国際共同試験を含む複数試験の経験(施設立ち上げ及び症例登録の経験必要)

【Desirable Experience】
•モニタリングのラインマネジメント経験
• キーオピニオンリーダーとの協働を担当した経験
• 第三者機関(CRO)との協働経験
• 英語を用いたコミュニケーション(例:メール、電話、プレゼンテーション)が必要となる環境での業務経験
• プロジェクトマネジメントに関する知識

文面だけを見る感じだと、「担当」については通常のCRAレベルで応募できそうですが、イーライリリー自体は人気の企業ですので、やはり簡単には入社できないかもしれませんね。

私のイメージだと、CDCの業務の2本柱は「症例エントリーの促進」と「Scienceに関するdiscussion」だと思いますので、CRA経験を通じてどのように工夫し症例を獲得してきたか、その中で Science にどの程度精通しているか、という点について深堀して準備して行った方が良さそうですね。

ちなみに、数年前に私もCDCを受けたことがあり1次面接は通過した。
しかしながら、正社員として採用するほどではないと判断され、契約社員を打診されたため、最終面接を辞退致しました。

このRoleの将来性は?

2019年12月時点でこのRoleはイーライリリーにしかありませんので、私はそこにやや引っかかっております。

他社にもCDCがいれば、イーライリリーが嫌になった場合に他社へ転職できますが、CDCはイーライリリーにしかありません。
そのため、CDCに応募する際にはその後のキャリアもしっかりと考え、応募する必要があります。

例えば、CDCとしてやっていく中でScienceに強みが持てたのであれば、その後Medical Science Liaisonにも転職できるかもしれません。
しかし、悪い言い方をすると、CDCが何もしなくてもCRAがしっかりとしていれば治験は問題なく進行していくはずです。
そうなった場合に、人によっては何もキャリアにならないという可能性があると思います。

そうならないために、CDCに応募するのであれば、CDCになって何を達成したいかを明確に持って入社する必要があります。

また、基本的にCRAからCDCにキャリアチェンジしている人が多いようですが、CDCでいる間はモニタリング業務のブランクができてしまいます。
そのため、その後CRAとして再度転職しようとした時にCRO-CRAより評価が低くなることが想定されますので、その点についてもよく考え、転職する必要がありそうですね。

エース級のCRO-CRAとマッチングした場合、CDCは仕事が無くならないのか?

CDCの話を聞いた時にまずこのことが頭をよぎりました。

先ほどお伝えした通り、1施設を2人で担当することがイーライリリーのスタンダードです。
CROのエース級のCRAとマッチングしたCDCはどうなるのか、、、?

実際のところはと言うと、もちろん人にもよりますが、残念ながら仕事が無くなるケースがあるようです。

おそらくCDCの腕の見せ所の一つとして、CRO-CRAのManagementというところもあると思いますが、CRAが優秀だとCDCは出る幕が無くなってしまう、ということが残念ながらあるようです。

CDCに対する私の個人的な見解は?

これはあくまで私の個人的な見解ですが、現職でCRAの方で製薬メーカーへ転職をお考えの方は、まずは製薬メーカーのCRA職に応募した方がいいと思います。

理由としては、CDCの担当業務はCRA業務の一部をかなり深堀した業務であり、CRAでもやろうと思えばやれる業務です。
CRAとしてブランクを作り、その後のキャリアを狭めてしまうことに対してやや懸念がありますので、まずは製薬メーカーのCRAで内定を取ることに注力した方が良いと思います。

しかしながら、イーライリリーは大手製薬メーカーの中でも人気企業の一つですので、イーライリリーで働きたいという方、又はCDCに興味がある方は積極的にチャレンジして欲しいと思います。

では!

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