製薬メーカーのStudy Managerってどんな仕事?業務内容や年収を解説するよ!

2022年4月24日

どうも、はるきちです。

私は以前CROでCRA、チームリーダーを担当しており、現在は外資系製薬メーカーでオンコロジー領域のStudy Managerを担当しています。

今日は製薬メーカーのStudy Managerの業務内容を解説したいと思います。

会社によって、Study Manager、Study Leader、Clinical Trial Manager、Clinical Project Leaderなど呼称が異なりますが、製薬メーカーにおける治験の実務部隊の責任者と考えてもらえればと思います。

製薬メーカーとCROの違い

まず、治験における製薬メーカーとCROの違いを説明したいと思いますが、治験を実行する上で、製薬メーカーとCROは委受託契約を締結し、CROに業務の全部または一部を委託することがあります。

一般的には製薬メーカーは指示・命令する側であり、CROは指示・命令を受ける側になります。

製薬メーカーとCROの違いやCROのチームリーダーの業務内容を以下のブログに纏めていますので、併せてご覧ください。

治験の実施におけるモデルの違い

実際に、私は今Study Managerを担当しているわけですが、試験のモデルやCROにどの業務を委託しているかにより、Study Managerの業務内容は多少異なります。

そこで、まずは治験において、どのようなモデルがあるかを整理したいと思います。

昨今はGlobal Studyが主流ですので、Global Studyを実施する際のモデルを解説したいと思います。

指示命令系統がGlobal team⇔治験依頼者(日本法人)となっている場合

治験依頼者のCRAのみで試験を実施する場合

Global teamから治験依頼者(日本法人)のStudy Managerに指示が来て、Study ManagerがCRAに指示をするパターンが該当します。

CRAは、治験依頼者に所属しているCRAとCRO-CRAに大別することができますので、

  • ①治験依頼者のCRAのみで試験を実施する場合
  • ②治験依頼者とCROの両方のCRAで試験を実施する場合(ハイブリッド)
  • ③CROのCRAのみで試験を実施する場合

の3つのパターンに分けることができます。

以下の画像でお示したモデルは、上記パターンの①に該当します。

CROにモニタリングを委託する場合

以下のモデルでは、Global teamから治験依頼者(日本法人)のStudy Managerに指示が来る場合で、かつCRAが依頼者内とCROにいる場合に該当します(上記②)。

治験依頼者側にCRAがおらず、CROのCRAのみで試験を行うこともありますが(上記③)、その場合においても治験依頼者とCROのコミュニケーションの流れは同じです。

はるきち

この2つのモデルではStudy Managerは日本のオペレーションの責任者となります。そのため、Study Managerは日本における治験成功のためのKey Roleと言えます。

Global CROにOperation業務を丸投げする場合

Globalレベルで、Global CROにOperation業務を丸投げする場合があり、以下の画像がそれに該当します。

このモデルでは、主にIQVIA、LabcorpやSyneosなどのGlobal CROが主に試験を受託しています。

Global CROが試験を受託したものの、当該CROが日本に進出していない場合もありますので、その場合は日本の内資系CROが孫請けという形で試験を受託していることがあります。

このモデルでは、CROのGlobal teamとCRO日本法人のコミュニケーションが試験実施のメインの指示命令系統となり、治験依頼者(日本法人)は補助的な立ち位置となります。

そのため、日本のStudy Managerは治験を前に進めていくというよりは、CROの進捗管理などがメインとなります。

このモデルは治験依頼者(日本法人)に近い業務を経験することができるため、CROのチームリーダーにとっては一番経験が積めるモデルだと思います。

CROに在籍しているリーダーの方は、積極的にこのモデルに携わるようにしましょう。

はるきち

このモデルの場合は、CROがメインとなり治験を実施します。そのため、治験依頼者のStudy ManagerはCROのOversightがメインとなりますね。Study Managerとっては、上記2つのモデルに比べるとこのモデルでは業務量が非常に少なくなりますので、人によっては物足りないと感じるかもしれませんね。

Study Managerの業務内容

試験実施のモデルが複数あり、会社の組織構成により多少の違いがありますが、Study Managerは日本における治験実施の責任者となります。

そのため、非常にやりがいがありますが、業務量も多く、忙しいRoleであると言えます。

また、CROに委託している試験では、CROのチームリーダーの方がStudy ManagerのCounter partに当たります。

製薬メーカーのStudy Managerの業務内容
-GlobalやCROとのコンタクトの窓口
-治験実施医療機関の選定
-試験の予算、タイムライン、進捗の管理
-社内の他部署との協議
-モニタリング報告書の内容確認・承認
-試験に関する各種資料の作成
-施設とのトラブル発生時の謝罪訪問
-CRAの管理・指導
-PMDA相談(会社による)
-監査、書面・実地調査時の対応
※委託している試験のモデルや受託内容により、多少の違いがあり

はるきち

PMDA相談にStudy Managerが同席している会社もあるようですが、私が把握している範囲では、Study Managerが同席しない会社の方が多いと思います。

業務はそこそこ激務

私個人の意見としては、製薬メーカーのStudy Managerはそこそこ激務です。
(激務度合で言えば、CROのチームリーダーの方が激務だと思います。)

試験のフェーズにより忙しさが変わりますが、何もすることが無い日はまずありません。

私個人はここ最近は非常に落ち着いていて、残業時間も5時間/月ぐらいですが、一般的には朝から晩まで仕事をしている人が多いと思います。

Study Managerを担当していて大変だと感じる点は、

  • 常に緊急の案件を抱えている
  • 施設から急ぎの用件があれば、土日でもCRAから連絡が来るため、土日も社用携帯が手放せない
  • Globalの言いなりになっている(ほとんどの会社が該当すると思われる)
  • 日本では判断できないことが多く、Globalに事細かに方針を確認しないといけない(日本のStudy Managerがジャッジできる案件は限定的)
  • Globalとの会議は日本時間の朝早く、または深夜に設定されることが多く、生活が不規則となる(これは、Study Manager以外のRoleにも共通する)
  • 社内の他部署と比べて発言権が無く、他部署の言いなりになっている(ほとんどの会社が該当すると思われる)
  • 会議が多い

ことが挙げられます。

私がCROにいる時は、製薬メーカーのStudy Managerにはかなりの裁量が与えられていると思っていました。

自分がいざ担当してみると、当時思っていたよりも裁量が小さく、ジャッジできる事案は限定的だと感じています。

はるきち

以前はLocal studyが中心でしたので、日本のStudy Managerには今よりも裁量があったと思いますが、Global Studyにおいては試験全体の方針はGlobalで決めるため、残念ながら日本のStudy Managerには裁量が与えられていません。

英語の使用頻度

英語は必ず使いますので、前もって勉強をしておく必要があります。

英語のメールは毎日使いますし、Global teamとの会議には少なくとも週1回は参加しています。

会議では、話を聞いているだけではなく、日本の進捗を説明する必要がありますので、日ごろから英語の学習を継続しましょう。

TOEICだけでは英語力は測れませんが、Study Managerの求人票を見てみると、TOEIC 800点を募集要件に設定している会社が多い印象を受けますので、目安としてTOEIC 800点ぐらいは必要だと思います。

Study Managerの年収

私がCROにいる時には、製薬メーカーのStudy Managerクラスの人はかなりの額の年収を貰っているんだろうなと勝手に予想していました。

自分自身がStudy Managerになって感じる点としては、世間一般から見るとそこそこの額を貰っているとは思いますが、当初思っていたよりは高額ではありませんでした。

製薬メーカー各社によって多少違いがありますが、おそらく800~1,100万ぐらいだと思います。

会社によってStudy ManagerのJob Gradeに違いあり、一般職の会社もあれば、管理職の会社もあります。

例えばノバルティスのClinical Study Managerは一般職であり、管理職ではありません。

その一方で、ブリストルのClinical Trial Managerは管理職です。

Senior associateから管理職まで複数のGradeを設置している会社もありますので、会社によってStudy Managerの立ち位置が異なります。

また、全体的な傾向としては、ベンチャー系の会社はやはり年収が高く、かつRSUが付与される会社もあります。

バイオジェンやギリアドなどは高年収+RSUとよく聞きますので、ざっくりとキャッシュ+RSUで1,500万円ぐらいは狙えるのかなと思います。

Study Managerのキャリアパス

製薬メーカーのStudy Managerのキャリアパスは概ね以下の通りとなります。

社内公募での異動も可能ですし、転職でキャリアチェンジしていくパターンもあります。

製薬メーカーの薬事職は未経験の募集が(ほぼ)無いため、薬事へのキャリアチェンジは現実的には社内公募のみとなります。

  • Study Managementで更に上のPositionを目指す(Study Managerの上長となる)
  • CRAのLine Manager
  • Clinical Scientist
  • 薬事
  • Project Manager

まとめ

製薬メーカーにおけるStudy Managerは、治験成功のためのKeyとなるRoleです。

そのため、非常にやりがいがありますし、Study Managerを目指しているCRAの人も多いことかと思います。

Study Managerを担当するようになって一番良かった点は、部署との接点が増えて、Clinical Operation以外の視点を学ぶことができている点だと私は感じています。

チャンスがある人は、積極的にチャレンジしてほしいと思います。

ただし、業務量は比較的多く、会社によっては多忙を極めているケースもあります。

では!

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