CRA新卒/転職:外資系CROと内資系CROの年収格差を考察してみる

どうも、はるきちです。

私は以前CROでCRA、チームリーダーを担当しており、現在は外資系製薬メーカーでオンコロジー領域のStudy Managerを担当しています。

CRO業界は転職が盛んな業界ですので、転職を考えている人もたくさんいると思いますが、転職する際の会社選びの中で、年収は大きな要素になると思います。

全体的な傾向として、外資系CROと内資系CROでは年収に格差がありますので、今日はその年収格差を考察してみたいと思います。

CROの年収

CRO業界では、全体的な傾向として外資系CROの方が年収が高く、内資系CROの方が年収が低い傾向にあります。

この傾向は、CRAに限らず、チームリーダーやそれ以上の役職であっても同じであり、役職が上がれば上がるほど、年収格差は開いていくと思われます。

2022年3月時点では、CRO業界内ではSyneosとLabcorpがダントツで年収が高い印象があり、他社CROから転職する際には、かなり年収が上がるという話をよく耳にします。

大手CROの年収の目安
Syneos ≒ Labcorp > Parexel > リニカル ≒ IQVIA > メディサイエンスプラニング > EPS = シミック
*2022年3月時点での年収の目安

ビジネスモデルの違い

外資系CROと内資系CROではビジネスモデルにも大きな違いがあります。

昨今ではグローバル試験が主流ですので、グローバル試験を受託する場合で考えてみたいと思います。

受託のモデルは大きくわけて、以下の2つのパータンがあります。

指示命令系統がGlobal team⇔治験依頼者(日本法人)となっている場合

外資系CRO・内資系CROともに、このモデルで試験を受託していますが、どちらかというと内資系CROに多いモデルだと思います。

このモデルで試験を受託する際に、CROはチームリーダーを1名、CRAを必要に応じて試験にアサインします。
(CRAの人数は試験の規模や施設数によって異なります。)

治験依頼者とCROの契約は、チームリーダーに対して1ヵ月 ●●●万円、CRAに一人当たり1ヵ月 ●●●万円という契約になることが多いと思います。

会社によって契約額に違いがありますが、一例として、CRAの単価が150万円/月で治験依頼者-CROで契約したとしましょう。

その場合、CRA一人当たりの稼ぐ金額は、

150万円 × 12ヵ月 = 1,800万円(年間)となります。

そこに税金が掛かりますので、会社の手取りは1,800万円より減ってしまい、その中から、

  • 当該CRAの年収
  • 当該CRAの社会保険に要するコスト
  • 管理部門の人の年収
  • 管理部門の人の社会保険に要するコスト
  • オフィスの賃貸料
  • パソコンやデスク等のリース代

などを支払う必要があります。

会社によっては、試験の受託が芳しくなく、CRAがたくさん待機しているCROもあると思います。

待機しているCRAの給料や社会保険のコストもその中から支払いますので、1,800万円/年の稼ぎではそこまで余裕がないことがわかります。

はるきち

全体的な傾向として、このモデルでの試験の受託は、利益を生み出しにくい傾向にあります。

Global CROにOperation業務を丸投げする場合

次に、IQVIA、LabcorpやSyneosなどのGlobal CROに、Operation業務をGlobalレベルで丸投げするモデルについて見てみたいと思います。

このモデルは外資系CROのみ受託することが可能ですが、内資系CROが、日本に進出していないGlobal CROから孫請けの形で日本のOperation業務を受託することがあります。

このモデルでは、CRA一人当たりの金額で契約するわけではなく、試験の規模や施設数などを勘案し、Global CROに試験単位で●●億円という形の契約になります。

Study Managerという立場上、治験依頼者とCROの契約書を見る機会がありますが、試験の規模によっては、かなり高額な契約になります。

なお、一つ上で見たモデルでは、CROに対してモニタリングのみを委託している形となりますが、このモデルでは、CROが保有しているシステムを使う場合も往々にしてあります。

その場合は、モニタリングの費用に加えて、治験依頼者はシステム使用料をCROに支払う必要があり、具体的には、以下ようなシステムが該当します。

  • TMF(Trial Master File:試験の必須文書を格納する電子システム)
  • CTMS(Clinical Trial Management System:臨床試験管理システム)
はるきち

試験の規模にもよりますが、このモデルはCROの受託料が非常に高額です。この高額な受託料が、外資系CROの社員の高給に繋がっていると思います。

まとめ

外資系CROの中には、日本への投資比率が低かったり、日本の権限が弱いため原資が回ってこないという会社もあるようですが、一般的な考えとして、外資系CROと内資系CROの給与の格差は、『丸投げ試験』を受託できるかどうかの違いだと思います。

『丸投げ試験』をたくさん受託している会社は、受託額が高く、その分社員に還元できます。

その結果、SyneosやLabcorpはCRAに高額な年収を提示し、積極的にCRAを集めています。

その一方で、『丸投げ試験』では「CRAを何名」というオーダーが治験依頼者から来るわけでは無く、CRAを何名アサインしたとしても、基本的に受託額は同じです。

そのため、少ないCRAで試験を回した方が利益率が高くなるため、一部の外資系CROではCRA一人当たりの業務量が多くなり、激務になる傾向にあるようです。


また、今後の治験を取り巻く環境を考えた場合にも、現時点で内資系CROが外資系CROに太刀打ちできる要素が思い浮かびません。

ですので、CROでのキャリアを考えた場合に、内資系CROよりも外資系CROでキャリアを積む方が望ましいと思いますし、CRO→CROへの転職においては、まずは外資系CROへの転職を優先的に考えた方が良いと思います。

私自身もCROに戻ることがあれば、外資系CROの中から会社を選ぶと思います。

ただし、新卒でのファーストキャリアにおいては、ある程度教育がしっかりしている会社に入った方が良いと思いますので、外資・内資を問わず、教育体制が充実している会社に入社するようにしましょう!

では!

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