CRA新卒/転職:エーザイの評判や年収について徹底解説
どうも、はるきちです。
私は以前CROでCRA、チームリーダーを担当しており、現在は外資系製薬メーカーでオンコロジー領域のStudy Managerを担当しています。
今日は内資系製薬メーカーのエーザイ株式会社のCRAについてご紹介したいと思います。
エーザイは、CRAを新卒で採用する年もありますし、2~3年に一度くらいの頻度で中途採用もかけていますね。
中途採用については、CROからの応募も可能ですので、興味がある方は是非ご一読ください。
エーザイとは
名称 | エーザイ株式会社 |
設立年月日 | 1941年(昭和16年)12月6日 |
本社 | 〒112-8088 東京都文京区小石川4-6-10 |
電話 | 03-3817-3700 (大代表) |
代表者 | 代表執行役CEO 内藤 晴夫 代表執行役COO 岡田 安史 |
資本金 | 44,986百万円 (2021年3月末現在) |
従業員数 | 連結:11,237人 個別:3,005人(2021年3月末現在) |
エーザイ株式会社は、東京都に本社を構える内資系製薬メーカーで、
- 神経領域
- がん領域
の2つを重点領域としています。
『チョコラBB』をはじめとするOTCにも力を入れており、知名度も高い会社です。
2000年代には、アリセプトとパリエットの2剤で一世を風靡しましたが、現在は消化器領域については子会社のEAファーマ株式会社で開発・プロモーションを実施しています。
EAファーマは、エーザイグループの消化器事業と味の素グループの消化器事業が統合し、2016年に発足しています。
EAファーマ発足時には、エーザイの開発部からもEAファーマに転籍した人がいたようだね。
エーザイ株式会社の本社は、東京都文京区にあります。
最寄り駅は地下鉄 茗荷谷駅となりますが、駅からは徒歩10分ぐらいの場所にありますので、雨の日は通勤が多少つらいかもしれません。
茗荷谷はさくらの名所でもあり、「文京さくらまつり」が毎年開催されています。
業績推移
決算資料に基づき、2018年3月期~2021年3月期までの売上推移を以下の表に纏めています。
ここ数年は、売上が6,000億円代で安定していますが、アリセプト・パリエットの全盛期には売上が8,000億円代であったことを考えると、当時ほどの勢いがなくなってしまった感じがします。
本業の儲けを表す営業利益率は基本的に10%代を維持していますので、他の内資系製薬メーカーと比べると、比較的良好な数値だと思います。
2018年3月期 | 2019年3月期 | 2020年3月期 | 2021年3月期 | |
---|---|---|---|---|
売上(億円) | 6,000 | 6,428 | 6,956 | 6,459 |
営業利益(億円) | 772 | 861 | 1,255 | 517 |
営業利益率 | 12% | 13% | 18% | 8% |
最終利益(億円) | 544 | 664 | 1,224 | 424 |
グローバル全体での売上の中で、日本の売上の割合が一番高いことより、2021年3月期の決算説明会資料から日本における売上の画像を抜粋しています。
その中で売上ベスト3は、
- ヒュミラ(アッヴィとコ・プロモーション)
- リリカ(ヴィアトリスとコ・プロモーション)
- ルネスタ
となっています。
正直なところ、この製品ラインナップでは、今後もかなり厳しい戦いが予想されます。
まず売上1位のヒュミラについては、今後もアッヴィとのコ・プロモーションが継続されるのかが、不透明な印象を持っています。
と言うのも、エーザイはギリアドとの間で、JAK阻害剤「フィルゴチニブ」のコ・プロモーション契約を締結しています。
アッヴィには、JAK阻害剤「ウパダシチニブ」があり、この薬剤は「フィルゴチニブ」と競合品にあたります。
そのため、アッヴィとのヒュミラのコ・プロモーション契約についても、今後の動向が非常に気になるところです。
次に、売上2位のリリカですが、後発品が参入する前は日本で1,000億円以上の売上がありましたが、2020年の売上は473億円です。
(AnswersNewsより)
後発品が参入してきたことに伴い、リリカの売上は今後も下がることが想定されます。
売上の上位2品目が不安定な状況にあり、かつレンビマ以外の製品は今後も大幅な売上増加は見込めないことより、苦しい戦いがまだまだ続きそうです。
AnswersNewsによると、2020年度の売上に基づく国内のランキングは6位となっています。
アルツハイマー病治療薬 アデュヘルム(アデュカヌマブ)
上述の通り、売上増加が見込める薬剤がレンビマだけの状態ですので、そんな状況を救うべく、Biogen(バイオジェン)と共同開発をしていたアデュカヌマブに大きな期待がかかっていました。
しかしながら、アデュカヌマブも苦しい戦いが続いています。
FDAからは迅速承認という形でなんとか承認を取得はしたものの、三極の対応は以下の通りとなっています。
- FDA(アメリカ):迅速承認(新たな治験を実施し、アデュカヌマブの臨床的有用性を示したのちに正式承認の予定)
- EMA(EU):否定的見解を受け、申請取り下げ
- PMDA(日本):承認見送り
2022/3/15のプレスリリースの通り、エーザイはアデュカヌマブからの事実上の撤退が決定しています。
アデュカヌマブについては、Biogen(バイオジェン)について纏めた以下の記事に詳細を掲載していますので、併せてご覧ください。
アデュカヌマブがFDAから迅速承認を取得したニュースは、当日のYahooニュースの一面にも掲載されていて、注目度の高さがうかがえました。
パイプライン
エーザイ社より公開されている”主力開発品”情報に基づき、現在のパイプラインを見てみたいと思います。
当社の重点領域は、神経領域とがん領域ですので、進行中の治験も神経領域とがん領域がメインとなっています。
それぞれの領域の中で、エーザイが注力している薬剤は以下の2剤です。
- 神経領域:レカネマブ(アルハイマー病を適応として、バイオジェンと共同開発)
- がん領域:レンビマ(キイトルーダとの併用療法の試験は、メルクと共同開発)
アルハイマー病については、アデュカヌマブから事実上の撤退をしていますので、是が非でもレカネマブは承認まで漕ぎつけいたいところですね。
売上については厳しい状況が続きますので、レンビマの適応追加を滞りなく行い、価値最大化によるレンビマの売上増加が当社における直近の課題です。
CRAの採用
エーザイでは、新卒でCRAを採用している年もありますし、中途については2~3年に1回ぐらい募集がでています。
中途採用についてはCRO出身者も応募可能ですので、興味がある人は積極的にトライしましょう。
エーザイの中途採用の特徴的な点としては、書類選考を通過した後に、
- 入社志願書
- 1次面接用のプレゼンテーション資料
を提出する必要があります。
ちょっと面倒くさそうですが、エーザイに入社したい方は頑張って準備しましょう!ちなみに、エーザイのCRA職での入社難易度は、新卒・中途とともにかなり高いと思いますので、内定までの道のりは険しいと思います。
なお、業界全般として、2010年代中盤頃まではアウトソースが主流であり、製薬メーカーのCRAの中途採用が激減していた時期がありました。
ただし、ここ数年は、
- アウトソースするより、社内で雇用する方が低Costである
- 社内に一定数のCRAがいる方が、社内にナレッジが蓄積できる
- アウトソースする場合、CROとの契約やCRAへのトレーニングに時間を要することがあるため、社内にCRAがいた方が迅速な対応が可能である
という理由により、CRAの中途採用が増加傾向にあります。
エーザイでは社内に一定数のCRAが在籍しており、中途採用が定期的に出ていることより、CROからも転職が狙えます。
製薬メーカーに転職したい人で、エーザイに興味がある人は、積極的にチャレンジしてみてください。
CRAの労働環境
業務量はそこまで多くはなく、適正な業務量だと思いますので、慢性的に激務になることは無いと思います。
エーザイだけではなく、多くの内資系の会社に当てはまりますが、仕事のプロセスが外資に比べてガチガチの会社が多い傾向にあります。
教育体制はしっかりしていますので、新卒で入社する分には良い会社だと思いますが、中途入社の場合は仕事のやり方が合わない人がいると思います。
ガチガチのプロセスではなく、ある程度自由に仕事をしたい人は、外資系の方が向いている傾向にありますね。会社を選ぶ際は、その会社のカルチャーもしっかり調べよう!
年収
有価証券報告書をもとに、2018年から2021年までの平均年収と平均年齢を以下に纏めました。
アリセプトとパリエットの全盛期には平均年収が1,100円代でしたので、以前よりはやや減少していますが、現在でもかなり高年収ですね。
2018年 | 2019年 | 2020年 | 2021年 | |
---|---|---|---|---|
平均年収 | 1,044万円 | 1,099万円 | 1,037万円 | 1,042万円 |
平均年齢 | 44.7歳 | 45.2歳 | 44.4歳 | 43.9歳 |
AnswersNewsの内資系製薬メーカーにおける年収ランキングでは、2021年は11位という結果になっています。
求められる英語力
CRAであれば、そこまで高い英語力は求められませんので、メールの読み書きができれば実務上は問題ありません。
ただし、エーザイに限らず、臨床開発の世界では英語は必須ですので、学習をしっかり継続しましょう!
まとめ
今日は、エーザイのCRAについてみてきました。
今日の考察を纏めると、エーザイは、
- 直近で売上増加が見込める薬剤はレンビマのみであり、今後も厳しい戦いが続く
- アルツハイマー病治療薬 アデュカヌマブからは、事実上の撤退が決定している
- パイプラインは神経領域とオンコロジー領域が中心である
- CRAの業務量は適正であるが、仕事の仕方が細かい(中途入社を希望する場合は、ミスマッチに注意)
- 年収はかなり高い
となります。
エーザイの求人は、以下の転職エージェント5社であれば取り扱いがあると思いますので、興味がある方は是非登録してみてください!
では!
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