アステラス製薬の早期退職に650人が応募!今後のキャリア形成について考えてみる。

2022年4月14日

どうも、はるきちです。

今朝のニュースでアステラス製薬の早期退職に650人が応募というニュースが出ていましたね。

早期退職を行うこと自体は昨年から発表されていましたが、当初想定していた450人を上回って、650人の応募があったそうです。

製薬メーカーは毎年のようにリストラをしていますので、まあよくある話ではありますが、国内大手製薬メーカーのアステラスがやるとなると結構インパクトはありますね!

はるきち

早期退職に650人手を上げたということで、人数も多いし、インパクトあるね!

今日は、アステラス製薬のこのニュースに関連して、今後どのようにキャリアを形成していけば良いかを考えてみたいと思います。

アステラスってどんな会社?

2021年度3Qの決算内容

アステラス製薬は、皆さんご存知の通り、東証一部上場の大企業ですね。

おそらく、製薬メーカーの中では、入社難易度MAXに位置する会社のうちの1社だと思います。

2022/2/2に発表された2021年度第3四半期の決算資料によると、決算内容ははまずまずの数字だったと思います。

  • 21年度3Q 売上:9,923億円(前年比 5.5%)(進捗率 75%)
  • 21年度3Q 営業利益:1,694億円(前年比 6.2%)(進捗率 77.7%)
  • 21年度3Q 営業利益率:17%


次に製品別の売上を見ていきましょう。

XTANDI(イクスタンジ)が3Q時点で4,000億円を超えていますので、2021年度の売上はおそらく5,000億円を超えると見らえれています。

はるきち

今のご時世、5,000億円製品を育てるのは至難の業だと思うよ。XTANDIが売れている間に現在のPipelineの開発を進めたいね!


ここまでは決算内容の良い部分について見てきました。

次に、日本の売上を見てみると、前年から8.4%減少しています。

各地域別の売上構成の中でも、前年比の減少率が一番大きいのも日本という結果になっています。

Global全体での売上が9,923億円である一方、日本の売上が2,032億円ですので、日本の売上比率が20.4%です。

私がCRAになった2000年代は、大手内資系製薬メーカーは各社とも海外売上比率を上げることに躍起になっていました。

アステラスは2021年3Qの売上では海外売上比率が約80%となり、本当の意味でGlobal企業になりつつあります。

その点は非常に喜ばしい一方で、本国の日本では減収となっていますので、何とも寂しい状況であることには変わりありません。

アステラスの開発ってどんな感じ?

社内にCRAが一定数いると思いますが、私は8年間転職活動をしていて、アステラス製薬の中途採用の求人を見たことがありません。

新卒は定期的に採用しているという話を聞きますので、CRAは生え抜き正社員CRAとCROからの特定派遣で賄っていると思います。

Study ManagerやProject Managerの中途採用の求人はたまに出ていますので、中途採用の有無は開発内においても職種によって異なるような気がします。

あと、転職市場にも『元アステラス社員』の人はあまりいないという話をエージェントさんから聞いたことがありますので、おそらく離職率は低い会社だと思います。

アステラス製薬と言えば

最近はOncologyに力を入れていますが、私がCRAになったばかり頃は免疫領域と泌尿器に力を入れていて、プログラフが良く売れていた時代でもありました。

あと、旧山之内製薬が開発したガスターも結構売れていて、当時の子会社ゼファーマ(第一三共に売却済)が『ガスター10』という商品名のOTCを出していました。

はるきち

『ガスター10』と言えば、西村雅彦さんのCMが真っ先に思い浮かぶという人も多いですね!


製薬メーカーの中の立ち位置はというと、私は『ザ・コプロ』というイメージを持っています。

今は、XTANDIが売上を牽引していますが、一昔前はコプロで他社品を売って稼いでいる会社でしたので、大手内資系の他メーカーと比べると自社開発品の比率はかなり低かったのではないでしょうか。

そのため、私個人としてはアステラスの開発に対しては全く魅力を感じていなかったわけですが、MRの友人に聞くと、アステラスの営業力は本当に高いみたいで、国内では第一三共かアステラスかという状況のようです。

以下に、ここ最近のアステラス製薬のコプロの状況を書いてみましたが、コプロはだいぶ終了になってきたようですね。

製薬メーカー全般的に、ここ最近はMR数を削減する傾向にあり、その影響もあり、コプロも徐々に減ってきています。

  • シムビコート(アストラゼネカ)(2019/7/30終了)
  • ミカルディス(ベーリンガー)(2020/4/1終了)
  • セレコックス(ヴィアトリス)(2020/12/7終了)
  • リピトール(ヴィアトリス)(2021/7/31終了)
  • フランドル(トーアエイヨー)(2022/3/31で終了)
  • スージャヌ(MSD)(現在継続l中)

以前はプライマリー領域でコプロを積極的に行っていましたので、アステラスではMRの頭数が必要な時代だったと思います。

ただ、今は時代が変わってきています。

おそらく、今回の早期退職の背景には、以前ほどコプロを実施しなくなってきた時代の流れもあるのではないでしょうか。

今回の「早期退職者優遇制度」の対象は?

アステラス製薬は2021/6/3に「早期退職優遇制度」を導入すると発表しています。

この制度はアステラス製薬、アステラスファーマテック、アステラスグリーンサプライの社員を対象とするもので、450人の手上げを想定していたようです。

ところが、蓋を開けると650人の応募があったことが2022/2/3のニュースに掲載されていました。

これを受けて、アステラスのMR職は約1,200名となり、減少の一途を辿っています。

今後の具体的なキャリア形成について

近年、アステラス製薬に限らず、大手外資・内資ともにかなりリストラを行っています。

その影響もあって、製薬業界には悲壮感に近い感情が漂っているような気がします。

そんな中で、今後のキャリアをどう歩むべきか考えてみたいと思います。

製薬業界内で、早期退職の対象になりづらい職種にキャリアチェンジする。

製薬メーカーの中で、真っ先にリストラの対象に挙がるのはMRです。

ですので、製薬メーカー内でキャリアを全うするのであれば、MR以外にキャリアチェンジした方が今後のキャリアを形成しやい状況となります。

年齢が上がるにつれてキャリアチェンジは難しくなりますので、MRは少しでも若いうちに転職・社内公募で他の職種へのキャリアチェンジを検討しましょう。

製薬業界以外にキャリチェンジする。

製薬業界は全体的に高収入の業界ですので、他業種に行くと年収が落ちるのではないか、という懸念を持っている人は多いと思います。

ただ、日本の医薬品市場はマイナス成長になることが確実視されていますので、若いMRの方は製薬業界以外の職種にキャリアチェンジした方が、長い目で見た方がハッピーになれるかもしれません。

CROのCRAであれば、MR経験があればCRA未経験でも入社できる会社が多数あります。

早期退職が行われる前提で、副業にも力を入れる。

製薬メーカーにとっては、これからも厳しい時代が続くと思いますので、今後も各社早期退職を実施するものと想定して、キャリアを形成していかないといけませんね。

そのためには、副業での収入を確保することが重要です。

まとめ

アステラス製薬は、今のところ業績は比較的良い状態にあります。

調子が良いうちにリストラを実行して組織をスリムにすること自体は良いと思いますし、調子が悪くなってリストラをするより何倍もマシだと思います。

リストラがあると『人切り』とか『冷たい会社』というレッテルを貼られがちですが、今までの日本の社会が特殊だっただけであり、リストラは今後もあるものと想定しておかないといけませんね。

私は開発に所属していますので、リストラ=自分には関係ないという、どこか他人事として捉えている部分がありました。

会社によっては全社員対象でリストラをする場合もありますので、開発もウカウカしていられない日がいつか来るような気がします。


ピンチになった時に慌てても間に合いませんので、本業と並行して副業にも力を入れていきたいですね。

あと、転職活動も慌ててスタートしたのでは、いい活動ができません。

そのためには、日ごろからエージェントに登録して、新しい情報を常に入手しておく必要があります。

では!


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