製薬メーカーとCRO どちらが出世しやすいのか?

2022年2月8日

どうも、はるきちです。

私は中堅内資系CRO、大手外資系CROを経て、その後現職の製薬メーカーに転職しました。

今日は、その経験を踏まえて、製薬メーカーとCROではどちらが出世しやすいのか?について考えてみたいと思います。

私はCROから製薬メーカーに転職するにあたり8年くらい要したわけですが、その間たくさんの転職エージェントに登録しました。

転職エージェントとの面談時に、「製薬メーカーでは出世しにくいので、製薬メーカーからCROに転職してManagementの経験を積んで、その後製薬メーカーに戻りたいと言っている方が最近増えています。」という話を聞いたことがあります。

その時は、「ふーん、そうなのか」と特に何も感じておりませんでしたが、自分が製薬メーカーに転職し、改めてそのエージェントの言葉を思い出すと、「その選択は本当に正しいのか?」と少々疑問を感じるようになりました。

それはなぜかというと、CRO 2社、製薬メーカー 1社の私の経験から、「CROの方が製薬メーカーよりも必ずしも出世しやすい」とは言い切れないと感じているからです。

今日もその点について深堀してみたいと思います。

CROは出世しやすいのか?

私は中堅内資系CROと大手外資系CROでの経験があり、大手外資系CROでは最後はStudy Managerをやっておりました。

では、CROでは簡単に出世できるかというと、NOだと思います。

私が在籍していた中堅内資系CROと大手外資系CROに共通して言えることは、どちらの会社も上が詰まっていて、一昔前よりもManager職に上がるのに時間を要するようになってきていました。

製薬メーカーの人から見ると、CROでの出世は簡単と思われているかもしれませんが、CRO内の出世も製薬メーカーから見えているほど簡単ではない、というのが私の意見です。

かなりの人数のCRAが毎年入社してくる。

ここ最近のCROの採用状況は把握しておりませんが、以前は新卒で100人以上採用し、更に経験者・未経験者の中途も採用していました。

退職する人も当然いますが、毎年かなりの人数が採用されており、大手外資系CRO時代にはCRAの人数だけで800人以上はいたと思います。

しかしながら、当然ポストは限られていますので、全員がそのポストに就けるわけではありません。

そのためライバルも多く、上に上がっていくためには結構な労力が必要だと思います。

職種が限定されている。

CROに入社してくる人のほとんどはCRAとして入社し、そのままOperation畑を歩んでいくことになりますが、CROにはそもそもOperation以外のRoleがほとんどありません。

そのため、CRAとして経験を積んだ後のキャリアパスとしては、ほとんどの人がCRA→Study ManagerかCRA→Line Managerとなります。

CROに在籍している時に毎月上長と1on1を行っていたわけですが、「Study ManagerとLine Managerどっちをやりたいの?」とよく聞かれてました。

今考えると、「いやいや、世の中にはもっとたくさんのRoleがあるよ!」と言いたいところですが、残念ながらCROでのキャリアパスはほぼこの2択しかないのです。

中にはData Managementに異動したり、人事に異動する人もいましたが、それは非常に稀なケース又は訳ありのケースで、大半の人はStudy ManagerとLine Managerから選んでいる状況です。

そう考えると、600人以上のCRAの目標が同じなわけですから、CROでStudy ManagerやLine Managerになるのは、結構大変だなと思います。

製薬メーカーは出世しやすいのか?

その一方で製薬メーカーは出世しやすいのか?というと、必ずしも出世しやすいとは言い切れないと思います。

向上心がある人が多いですし、製薬メーカーは製薬メーカーで上に上がるのは大変です。

ただ、CROとはいろいろ違う点があり、大きな違いは以下の2点だと思われます。

CRAの人数が圧倒的に少ない

皆さんご存知の通り、製薬メーカーに所属しているCRAの人数は、CROに比較すると圧倒的に少ないです。

製薬メーカーは入社難易度が高いですが、その後の出世についてはCROよりもライバルが少なく、製薬メーカーの方がポストに就きやすいと言えるかもしれません。

職種が多い

CROにはOperation以外のRoleがほぼ無いのと比べ、製薬メーカーではたくさんのRoleがあります。

私の部署からも臨床企画に異動したり、Medicalに異動したり、それぞれ自分自身の希望を叶えるべく、積極的に社内公募に応募している人が多いです。

そのため、みんながみんなStudy ManagerやLine Managerを目指しているわけではないため、ライバルも限定的だと思います。

これが全ての製薬メーカーに当てはまるわけではありませんが、他メーカーの知り合いに聞いても、社内公募で他部署へ異動する人は結構多いようで、ずっとOperationにいる人は比較的少数派だと思います。

製薬メーカーとCRO どちらが出世しやすいか?

では、結論してどちらが出世しやいか?というと、「その会社によるが、CROの方が出世しやすいわけではない。」というのが私の結論です。

事実、前いた大手外資系CROと今の大手製薬メーカーであれば、現職の製薬メーカーの方が出世しやいと感じています。

製薬メーカーは、新卒・中途共に入社難易度は高いですが、入ってしまえばCROよりもその後の出世は大変ではないかもしれません。

あとは、「製薬メーカー」と一括りに行っても社風やその会社の組織構成、その会社の状況によっても異なってくると思います。

まとめ

一般的には、製薬メーカーの方が上に行くのは難しい言われていますが、それは製薬メーカーやCROという業種を問わず、その会社によると思います。

ビジネスが好調の時は社員数も増え、それに伴いポストも増やす傾向にありますので、出世のチャンスだと思います。

ですので、Managment経験がない製薬メーカーの社員がManagement経験を積みたい場合は、製薬メーカー内で急成長している会社に行くことをまずは探した方が良いと思います。

CROに転職することが悪いと言いませんが、製薬メーカー→CROの転職はかなりの高い確率で片道切符となります。

年齢が上がるごとにその傾向が顕著になりますので、製薬メーカーにまた戻りたいという意思があるのであれば、その転職はお勧めできません。

CROの中でも、特に中小のCROでは受託件数がじり貧な会社がたくさんありますので、そういう会社では仕事が増えず→ポストが増えず→出世できないという、負の連鎖が発生していると思います。

製薬メーカー・CRO共に出世するためにはタイミングが非常に重要だと思いますので、転職する際にはその会社にどの程度のOpportunityがあるのか?という観点でも会社を選ぶ必要があります。

製薬メーカーで言えば、BMSに買収される前のセルジーンや、CROで言えばSyneosなど、日本の上陸して間もない勢いがある会社は、本当に面白そうですよね。

売り上げが上がり、それにより社員数が増え、ポストも増えといういい循環が生まれていたと思いますので、そういう会社で仕事ができれば、いろいろなOpportunityがあると思いますし、成長できるチャンスがゴロゴロ転がっていると思いますね!

では!

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