製薬メーカー CRAとCRO CRAの違いって何?どっちが良いかを徹底解説!

2022年2月15日

どうも、はるきちです。

私は今まで、中堅内資系CRO→大手外資系CRO→大手外資系製薬メーカーというキャリアを歩んできました。

外資系CROにいた時と現職の外資系製薬メーカーではStudy Managerを担当しており、チームを纏める立場にあります。

その立場から見て、製薬メーカーとCROのCRAの違いを考察していきたいと思います。

入社難易度の違い

製薬メーカー

理系院卒又は医歯薬獣医の6年制卒の学生が対象となります。

開発品目が多い大手製薬メーカーでは新卒入社は旧帝大出身者など高学歴の学生が多く、倍率は数千倍にも上ります。

全体的な傾向として、私の肌感覚では、東京理科大学の6年制卒がギリギリのラインだと思います。

東京理科大学は皆さんご存知の通り私立大学の薬学部の中では偏差値が高い名門大学ですので、製薬メーカーのCRA職の入社難易度がご理解いただけると思います。

その一方で、中途入社ですが、中途の場合はCRA経験が3年以上ある人が対象となり、未経験者の募集はありません。

求人により製薬メーカー出身者しか応募できない場合もあれば、CRO出身者も応募できるる求人もあります。

中途採用の求人は理系大卒以上としているケースが多く、新卒ほどの学歴は問われませんので、経験・能力が採用のカギとなります。

新卒入社に比べると採用倍率は落ちると思いますが、中途採用でメーカーに行くのもかなりの難関です。

実際に私がCROから製薬メーカーに転職するにあたり、7~8年ほど転職活動をしていました。

CRO

新卒入社の応募要件を理系大卒以上としている会社が多く、製薬メーカーよりも全体的に入社難易度が落ちます。

私が以前在籍していた大手外資系CROでは、理系院卒・薬学部6年制が8割、理系学部卒が2割ぐらい割合でした。

旧帝大の院卒や私立でも名門大学卒業の人が多く、CROでも大手になれば入社難易度は結構高い印象があります。

その一方で、中途入社ですが、経験者として入社する場合は1年以上の実務経験を求められることが多く、入社難易度は高くありません。

中途未経験の場合は、MRや医療系資格保有者(薬剤師・看護師・臨床検査技師など)が対象となります。

以前はどのCROも中途未経験を大量に採用していましたが、2022年時点では中途未経験者の採用を控えている会社が多いようですので、未経験者にとってはハードルが少し上がっている感じがあります。

はるきち

未経験でCRAにチャレンジする場合は年齢も重要です。一般的に、未経験の職種にチャレンジする場合は、30歳が1つの目安になりますので、未経験でチャレンジする場合は少しでも早くチャレンジすることをお勧めします。

業務内容の違い

CRAという仕事をする上で、製薬メーカーのCRAとCROのCRAでは大きな違いはありません。

Lead CRA(CRAのリーダー)になると、製薬メーカーとCROでやや違いが出てくるという印象があります。

製薬メーカーのLead CRA

製薬メーカーのLead CRAは、CRAのリーダーであると共に、Study Managerと共に試験全体の運営にも関わります。

まさに、要のRoleと言っても過言ではありません。

Lead CRAになると、CRAよりも上位の仕事に携わることができ、見える景色にも違いが出てきます。

CROのLead CRA

CROのLead CRAは、CRO内におけるCRAのリーダーです。

イチCRAよりも上位の仕事にはなり、CRO内におけるモニタリングを統括する上で要のRoleとなります。

しかしながら、製薬メーカーのLead CRAのように試験全体の運営に携わることはできませんので、Lead CRA辺りから製薬メーカーとCROで業務内容に違い出てきます。

はるきち

CROのメリットとして、たくさんの製薬メーカーと仕事をすることにより、いろいろな会社のやり方を学ぶことができます。その点がCROで仕事をする大きなメリットですね!

キャリアパスの違い

製薬メーカー

社内公募制を導入している会社も多く、他部署への異動が可能です。

CRAはClinical Operationという治験の実行部隊に所属していますが、そこでキャリアを積んだ後に他部署へ異動するケースも多いです。

私の同僚の中では、MSL、Clinical Scientist、Safety、薬事、QA、PMなど、それぞれのキャリアパスに応じて異動しています。

製薬メーカーで仕事をすることの一番メリットは、キャリアパスが豊富な点だと思います。

自分自身のキャリパスに応じて部署異動をすることにより多角的な経験ができ、俯瞰的に物事見れるようになりますので、ここが製薬メーカーの一番の魅力だと思います。

CRO

Clinical Operationしか部署がない会社が多く、キャリアパスが限定的な会社が多いです。

CRAを経験した後は、Study ManagerかLine Managerしかキャリアパスが無い会社がほとんどですので、多角的な経験をするという面では製薬メーカーと大きな違いがあります。

CROの中では、IQVIA・シミック・EPSは他社CROよりも部署が多く、Clinical Operation以外も経験できる可能性があると思いますが、製薬メーカーと比べるとやはりキャリアパスは限定的となります。

年収の違い

年収は、一般的な傾向として製薬メーカーの方が高い傾向にありますが、大手外資系CROは製薬メーカー以上に年収を提示する会社もあります。

製薬メーカー

大手製薬メーカーは年収が高い会社が多く、福利厚生も充実している会社が多いです。

住宅手当や確定拠出年金を導入している製薬メーカーは多くありますが、CROではこれらの福利厚生を導入している会社はほとんどありません。

CRO

年収は会社によって大きな差があり、SyneosやLabcorpのような大手外資系CROでは高年収が期待できます。

その一方で、福利厚生が整っている会社が少なく、その点が製薬メーカーとの大きな違いとなります。

大手製薬メーカー>CROだと考えている人もいると思いますが、必ずしもそうとは言い切れないよ。SyneosやLabcorpのCRAは、製薬メーカーよりも年収が高い傾向にあるよ!

市場価値の違い

経験と能力次第ですが、一般的には製薬メーカーの方が高くなる傾向にあります。

今までの転職活動を通じて、製薬メーカー⇔CROの転職ではJob levelが変わることが多い印象を受けます。

例えば、CROのDirectorクラスは製薬メーカーに行くとManager採用の場合が多く、CROのManagerが製薬メーカー行くと一般職で採用される場合もあります。

その逆に、製薬メーカーのManagerクラスがCROに転職するとDirectorとして採用されるケースもあります。

製薬メーカー

一般的にはCROよりも市場価値が高くなる傾向にあります。

ただし、CRAとして市場価値を上げるためにはGlobal Studyや転職市場で有利となる領域(オンコロジー、CNSなど)の経験が必須です。

そのため、開発品目が少ない中小内資系製薬ではこれらの経験を積むことが難しく、CRAは市場価値が上がりにくい傾向にあります。

CRO

全体的に製薬メーカーよりも市場価値が落ちる傾向にありますが、Global Studyやオンコロジー、CNSなどを経験しているCRAは市場価値が高くなります。

今までCROから製薬メーカーに転職していった人をたくさん見てきましたが、全員共通している点として、Global Studyの経験オンコロジー、CNSなどの経験がありましたので、CROにいても市場価値を上げることは可能です。

まとめ

今日は製薬メーカーとCROの違いを見てきました。

どちらにもメリットとデメリットがありますが、CROと製薬メーカーの一番の大きな違いは『社員の意識』の違いだと思います。

CROにいる時は、仕事が終わった後で自己研鑽に時間を使っている社員が私の周りにはほとんどいませんでしたが、現職の製薬メーカーでは英会話をやったり、MBAやPhDを取るために学校に行く人も多く、社員の意識はかなり違うと思います。

勿論、CROにも意識が高い人もいますし、製薬メーカーにも意識が低い人もいますが、全体的な傾向としては差があると思います。

仕事をする環境は非常に重要だと思いますので、CROにいるCRAの人はできるだけ開発品が豊富な大手製薬メーカーを目指した方が良いと思います。

製薬メーカーとCROでは、それぞれメリットとデメリットがありますが、総合的に考えるとやっぱりCROよりも製薬メーカーの方がメリットが大きいと感じます。

新卒採用、中途採用のどちらにおいても大手製薬メーカーへの入社は非常に難関ですが、弊社にもCROからの転職が一定数いますので、CROからの転職も十分可能だと言えます。

ただし、皆さんご存知の通り転職活動は楽なものではありませんが、その先に大きな実りが待っていますし、転職活動が失敗に終わっても失う物はありませんので、積極的にトライしましょう!

では!


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