CRAの転職:CRO CRAから製薬メーカーのMSLにキャリアチェンジした人を紹介するよ
どうも、はるきちです。
私は以前CROでCRA、チームリーダーを担当しており、現在は外資系製薬メーカーでオンコロジー領域のStudy Managerを担当しています。
今日は、私の知り合いでCROのCRAから製薬メーカーのMedical Science Liaison(MSL)に転職した人の話を書いてみたいと思います。
実際に、弊社のMSLの中にも、前職がCRO CRAの人がいますので、CROからも転職が狙える職種です。
MSLへの転職やキャリアチェンジに興味がある方は、ご一読ください。
製薬メーカーとCROの違い
まず、製薬メーカーとCROの違いについてですが、製薬メーカーは医薬品産業に属し、CROはサービス業です。
製薬メーカーは、医薬品の臨床開発の業務の全部または一部をCROに委託する関係にあり、一般的に製薬メーカーは指示・命令する側であり、CROは指示・命令を受ける側になります。
製薬メーカーとCROの違いは以下のブログに纏めていますので、併せてご覧ください。
MSLとは
Medical Science Liaison(MSL)は、日本での歴史が浅く、日本に設置されてから15~20年ぐらいの比較的新しい職種です。
昨今では、以前と比べて開発と営業のコミュニケーションが限定的になっている会社が多いと思いますが、MSLはCRAとMRの間に位置する職種です。
CRAの中には、先生との面会時にMSLに同席してもらった経験がある人もいると思います。
私がCRAをしていた時は、症例登録のプッシュの際に、MSLからよりサイエンティフィックな薬剤の情報を先生に提供してもらうなど、たびたび先生との面会には同席してもらっていました。
Study Managerをするようになってからは、新規試験が開始となるタイミングで、MSLを始めメディカルの方々からは候補施設の先生やKOLの情報を入手し、実施医療機関を決定する際の一つの材料としています。
また、弊社においては、主要な学会の後にMSLが社員向けの学会説明会を行ったりしていますので、薬剤や疾患に精通している必要があり、そのために多くの論文にも目を通す必要があります。
開発から見ると、Medical Affairs(MA)とMSLの違いがイメージしづらいと思いますが、開発側の職種で例えると、MA=Clinical Scientist、MSL=CRAというイメージになるようです。Twitterで上記の説明を見て、非常に納得しました。
また、募集要項の一例を以下に記載しております。
会社によっては、修士が必須ではなく、理系学部卒で応募可能な会社もあります。
【上記に加え、下記いずれかで3年以上のご経験をお持ちの方】
CRO CRAから製薬メーカー MSLに転職した実例のご紹介
大手内資系CROから大手外資系製薬メーカーに転職
Aさん、まずは自己紹介をお願いしてもいいでしょうか?
私は、新卒で内資系CROに入社し、CRAを7年やりました。その後、現職の外資系製薬メーカーに転職し、MSLを5年やり、今はMSLマネージャーをしています。
どうして、MSLになろうと思ったんですか?
当時は、CRAとしてメーカーに行こうと思っていましたので、いろいろなメーカーを受けていましたが、結果的に内定を獲得することができませんでした。その時、ちょうどMSLの求人が出ていたので、応募して何とか内定を取ることができました。私がMSLになったのは2012年でしたので、今から10年ほど前になります。その時は今ほどMSLが一般的ではなく、業務内容もあまり理解しないまま受けてしまった感じですね笑
なるほど。MSLになって大変だなと思った点は何かありますか?
まず論文ですね。私は元々英語が苦手でしたので、最初は論文を読むことが苦痛でしたね。最近は慣れましたが、最初はしんどかったです。
他には何かありますか?
それともう1点は、学位でしょうか。弊社では、メディカルはPhDを持っていないと箔が付かないというか、社内で発言権が無いというか、そんな雰囲気があるんですよね。私は新卒時点では薬学修士でしたので、仕事をしながら博士課程に通い、無事修了しました。仕事と学業の両立は本当に辛かったです…
ちなみに、転職した時に年収はどれぐらい上がったのでしょうか?
年収は、前職の5%前後くらい上がりました。CROからの転職でしたので、そこまでドーンと上がる感じではないと思います。
大手外資系CROから大手外資系製薬メーカーに転職
Bさん、まずは自己紹介をお願いしてもいいでしょうか?
私は、新卒で内資系製薬メーカーの研究職に就いたのですが、その後外資系CROに転職し、CRAを5年担当しました。その後、現職の外資系製薬メーカーにMSLとして入社し、MSLを3年ほど経験しています。
CROからMSLを目指そうと思った理由は何だったのでしょうか?
最初はCRAとしてメーカーに行きたいと思っていたのですが、その一方でCRAは自分には合わないと思っていたんですよね。先生とサイエンティフィックな話をするのは前から好きだったのですが、SDVで細かい照合をしたり、必須文書SDVで資料の保管状況を確認したり、とにかく細かい作業が性に合いませんでした。
なるほど。確かに、CRAの仕事って細かさが求められますので、合わない人には合わないですよね。ちなみに、CRAとメディカルはどちらの方がしんどいですか?
人によると思いますが、私の場合はCRAの業務の方がしんどかったですね。
では、その一方で、CRAの時の方が良かったことは何かありますか?
CRAというわけではありませんが、開発の業務自体は非常に面白い仕事だと今でも思っています。治験は、最初のスタートがあり、終わりがあるじゃないですか。チーム全体で同じゴールを目指している感じが好きでしたね。
では、最後に転職時点で年収はどれぐらい上がりましたか?
年収は前職の3%ぐらい上がりました。未経験でしたし、CROからの転職ですので、年収の上がり幅が少なかったと思います。
年収
MSLはCRAよりも高年収の職種ですので、実績を積めば高年収が狙える職種です。
ただし、CROからの転職の場合は、転職時点での年収増加は限定的だと思いますので、大幅な年収増加はあまり期待できないと思います。
そのため、CROから製薬メーカーへの転職を考える際は、年収以外の面で製薬メーカーを受ける意義や転職後に何を成し遂げたいかをしっかりと整理して、応募する必要があります。
年収アップだけを狙うのであれば、製薬メーカーへの転職よりもSyneos(サイネオス)やLabcorp(ラボコープ)に転職した方が年収は上がると思うよ!
求められる英語力
MSLになるためには、高い英語力が求められます。
論文を精力的に読みこなすだけの読解力が必要となり、かつグローバルとの会議に参加するケースもあると思いますので、MSLを目指す人は日ごろから英語の学習に努めましょう。
以下の記事に、おススメのオンライン英会話教室に関する記事を貼っておりますので、併せてご覧ください。
まとめ
今日は、CRO CRAから製薬メーカー MSLにキャリアチェンジした実例をご紹介しました。
MSLはこれからますます必要とされる職種だと思いますので、興味がある人は是非チェレンジして欲しいと思います。
なお、私の知り合いでメディカルに所属している人の多くは、PhDを取るために働きながら博士課程に進んでいます。
PhDを取ることを推奨している会社が多いようですので、仕事と学業を両立するだけの熱意が無いと厳しいのかなとも思います。
開発にも、仕事をしながら博士課程に進んでいる人がいますが、割合としてはメディカルの方が圧倒的に多いと思います。
おススメの転職エージェントに関する記事を以下に貼っておりますので、MSLに興味がある人は転職エージェントに登録をして、積極的に情報を取りに行きましょう!
では!
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