CROのチームリーダーはストレスフル!業務内容や年収を徹底解説!

2022年3月22日

どうも、はるきちです。

私は以前CROでCRA、チームリーダーを担当しており、現在は外資系製薬メーカーでオンコロジー領域のStudy Managerを担当しています。

Clinical Operation(治験の実行部隊)のRoleには、製薬メーカー・CROともに、一般的に以下のRoleがあります。(会社により設置しているRoleに多少の違いがあり)

  • チームリーダー(Study Manager、Study Leader、Clinical Trial Managerなど会社により呼称が異なる)
  • Line Manager
  • CRA
  • Study Start Up(治験の開始段階に特化したRole)

その中で、今日はCROのチームリーダーにフォーカスして記事を書いてみようと思います。

製薬メーカーとCROの違いについて

まず、製薬メーカーとCROの違いについてですが、製薬メーカーは医薬品産業に属し、CROはサービス業です。

製薬メーカーは、医薬品の臨床開発の業務の全部または一部をCROに委託する関係にあり、一般的には製薬メーカーは指示・命令する側であり、CROは指示・命令を受ける側になります。

製薬メーカーとCROの違いは以下のブログに纏めていますので、併せてご覧ください。

CROのチームリーダーの役割

CROのチームリーダーの役割は、受託している試験のモデルや会社の組織構成により多少異なりますが、一般的にはCROのCRAの取り纏めであると同時に、依頼者やCROのGlobal teamとの窓口になります。

外資系CROでは、チームリーダーはCRAの上長では無く、部下無し管理職やSenior associateという位置づけになる会社が多いと思います。

その一方で、内資系CROではチームリーダーがCRAの上長も兼ねていて、CRAの評価や目標設定を行っている会社もあります。

チームリーダーを目指しているCRAさんも多いと思いますし、やりがいがある仕事だと思います。

CROのチームリーダーの業務内容
-CRAの管理・指導
-依頼者・Globalとのコンタクトの窓口
-各施設の手続きの進捗管理
-モニタリング報告書の内容確認・承認
-施設とのトラブル発生時の謝罪訪問
-CRAの目標設定、評価(チームリーダーがCRAの上長も兼ねる場合)
※受託している試験のモデルや受託内容により、多少の違いがあり

日ごろの業務内容はストレスフル!

治験を実行する上で、CROのチームリーダーは要のRoleですが、業務内容はかなりストレスフルだと思います。

私の個人的な印象では、Clinical Operationの中で、一番辛い立場がCROのチームリーダーだと思っています。

私もCROに在籍している時に担当しましたが、いろいろな意味で製薬メーカーのStudy Managerよりストレスを感じていました。

高圧的な依頼者の人は結構多い

CROのチームリーダーは、治験依頼者との窓口となります。

治験は数年単位で行われますので、その中でいろいろな問題が発生します。

時には、治験依頼者とCROの間で、人間関係のトラブルが発生することもあります。

CROのチームリーダーは依頼者やGlobalに対して説明責任があるわけですが、依頼者の中には高圧的な人もいます。

昔に比べるとだいぶ減った気がしますが、それでもまだまだ一定数はいるような気がします。

実際に、私がCROにいた時には、

治験依頼者 A

症例が全く入ってませんが、今後どうするつもりですか?弊社は、御社に対してチームリーダーの費用を毎月いくら負担していると思っているのですか?

治験依頼者 B

御社のCRAさんのクオリティは低いですね。御社では、どういう管理をしているのですか?

という感じで、依頼者から高圧的に詰め寄られて、携帯電話を片手にうな垂れているチームリーダーの人を何人も見てきました。

人間同士ですので、合う合わないという相性の問題もありますし、依頼者によっては会社のカルチャーで高圧的な人が多いメーカーとそうでないメーカーがあるような気がします。

私見ですが、CROと製薬メーカーの両方を経験した立場から言うと、CROの人は全体的に依頼者に遠慮し過ぎな気がしますね。

会社によってはたくさんのノウハウを持っていて、依頼者に提案できるだけのスキルや経験を持っていると思いますので、もっと積極的になってもいいのかなと思います。

依頼者とCRAの板挟みになり、立ち位置を間違えると八方塞がりになる

CROから見ると、治験依頼者はお客さんに当たります。

そのため、治験依頼者からの無理な要望にも応えなければいけないことも多々あります。

ただし、治験依頼者の意向に沿うことを重視し過ぎるために、場合によってはチームのCRAから反感を買ってしまい、味方がいなくなってしまうこともあります。

はるきち

治験依頼者とも関係性が悪くなり、CRAとも関係性が悪くなると、仕事がしづらくなりますので、立ち位置だけは間違えないにしたいですね!

業務量が多い

業務量も結構多いと思います。

私がCROにいた時は、チームリーダーの人は、朝は早くから夜遅くまで仕事をしている人が多く、土日もサービス残業をしている人がかなりの数いました。

CRO時代のチームリーダーの業務量と、現職のStudy Managerの業務量を比べると、私の場合はCROのチームリーダーをやっている時の方が忙しかったと思います。

現職では周りを見ても、CROのチームリーダーほど残業はしていないような気がしますので、私個人の意見としてはCROのチームリーダーの方が忙しいと感じています。

求められる英語力

受託する試験のモデルによって英語の使用頻度が異なります。

担当する試験がローカル試験であればあまり英語は使わないと思いますが、Global teamとのコンタクトが多い試験では、英語の指導頻度が上がります。

CROのチームリーダーの中にはGlobal teamとのMtg.に参加し、日本の状況を説明している人も多くいると思います。

チームリーダーになって英語ができないと本当に困ると思いますで、チームリーダーになって慌てることが無いよう、早いうちから英語の学習を始めましょう!

オンライン英会話教室のおススメについて以下の記事に纏めていますので、併せてご覧ください。

CROのチームリーダーの年収

大手外資系CROではチームリーダーの年収が高い傾向にあり、会社によっては1,000万を楽に超えるケースもあります。

その一方で、内資系CROは全体的に外資系よりも低い傾向にあり、1,000万を超えることが難しい印象があります。

新卒の生え抜きと中途では年収が異なりますが、全体的なイメージとしてはおおよそ以下の年収レンジになると思います。

大手CRO チームリーダーの年収の目安
-Syneos:約1,000~1,400万
-Labcorp:約1,000~1,400万
-Parexel:約900~1,300万
-IQVIA:約850~1,400万
-メディサイエンスプラニング:約750~1,000万
-EPS:約750~1,000万
-シミック:約750~1,000万

はるきち

SyneosとLabcorpは、チームリーダーになれば1,000万円はほぼ確実に狙えると思います。IQVIAは、製薬メーカーから転職してきた人が多く、新卒でチームリーダーになった人と製薬メーカーから転職してきて人では、年収に大きな差があります。

チームリーダーのその後のキャリアパス

CROでチームリーダーになった人は、余程の事情が無い限り、ガラッとキャリアを変える人は非常に少ないと思います。

CRO業界内、又は製薬メーカーに転職していく人もいますが、キャリアパスは概ね以下の通りとなります。

  • CRO内:Clinical Operationで更に上のJob Gradeを目指す
  • CRO内:自社、又は他社CROのClinical Operation以外の部門へ移る(社内公募や転職)
  • 製薬メーカー:製薬メーカーのClinical Operationへ移る(転職)


IQVIAやシミック、EPSであればClinical Operation以外のキャリアパスが望めますが、それ以外のCROではその他のRole数が少ないため、社内でClinical Operation以外のキャリアを築くのは難しい気がします。

そのため、違うRoleに付くのであれば転職が必要となりますね。

はるきち

CROのチームリーダーをしている私の知り合いの中には、キャリアパスを求めて、他社CROに転職した人が数人います。大手外資系CROはキャリアパスが豊富な点が魅力の一つですね!

まとめ

今日はCROのチームリーダーの業務内容にフォーカスして記事を書いてみました。

上述の通り、私はClinical OperationのRoleの中でCROのチームリーダーが一番辛いPositionだと思っていますが、やりがいがあり、良い経験ができるRoleであることには違いありません。

その経験をもって、違う部署へ異動できれば、また違った景色を見ることができると思います。

では!

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