大手外資系製薬メーカーのメリット・デメリットについて
どうも、はるきちです。
私は以前CROでCRA、チームリーダーをしており、現在は外資系製薬メーカーでオンコロジー領域の臨床開発に携わっています。
今回の記事では、大手外資系製薬メーカーに勤務することの、メリットとデメリットを挙げてみたいと思います。
今回の記事で言う「大手外資系製薬メーカー」ですが、海外での売上が高く、日本法人の社員数が1,000名以上の会社を想像してもらえればと思います。
具体的には、以下に記載したような会社をイメージしています。
- ファイザー
- アッヴィ
- ヤンセン
- ノバルティス
- MSD
- グラクソ・スミスクライン
- ブリストル
- サノフィ
- アストラゼネカ
- イーライリリー
会社や職種によって多少の違いはあると思いますが、一般的に考えられる大手外資系製薬メーカーのメリット・デメリットを以下に列挙しています。
今日は、それぞれについて深堀して書いていきたいと思います。
・豊富なパイプライン
・社内公募が盛んであり、キャリア形成がしやすい
・ホワイトな労働環境 / 充実した研修
【デメリット】
・年収はそこそこ
・業務範囲が狭く、裁量が小さい
・海外への駐在が難しい
メリット
豊富なパイプライン
まずは、パイプラインが豊富な点が挙げられます。
中には、開発品が多すぎて、激務になっている部署や職種が一部あると思います。
中堅内資系メーカーに数人知り合いがいるのですが、会社によっては開発品が片手で数えるぐらいしかない、開発品はあるが、目新しい開発品が無い、という会社も実際に存在します。
開発品が多く、日ごろは目の前の作業に追われていると有難味が薄れてしまいますが、パイプラインが豊富な会社で働けていること自体は、本当に良いことだと思います。
社内公募が盛んであり、キャリア形成がしやすい
2点目は、社内公募とキャリア形成についてです。
上記に列挙した会社の多くに社内公募が導入されていると思いますし、それを利用してキャリアチェンジをする人が多いと思います。
働く環境を選ぶ上で、その会社で描けるキャリアパスって本当に大事だと思いますし、その点はメガファーマは恵まれていると思います。
私が知る範囲では、上記の中ではヤンセンが社内公募を一番活発にやっていると思います。
ヤンセンでは、J&Jグループで募集中の職種一覧がメールで定期的に配信されるようですが、募集職種が多すぎて最後までメールを読むことができない、という声を複数から聞いたことがあります。
その一方で、外資系バイオベンチャーは日本法人の社員数が少なく、社内公募制度がない会社が多くありますので、若い人はいきなりバイオベンチャーに行くのではなく、メガファーマでまずはキャリア形成をした方が良いと考えています。
なお、今回の記事では外資系のメガファーマにフォーカスを当てていますが、内資系製薬メーカーの中にも社内公募が活発な会社がたくさんあります。
将来的に自分がどのような職種に就きたいかが明確に決まっていない人は、内資・外資を問わず、一旦規模が大きな会社に入ることをおススメします。
ホワイトな労働環境 / 充実した研修
3つ目のメリットは労働環境と研修に関してです。
昨今では、パワハラやセクハラをはじめ、ハラスメントが許容されない風潮が強くなっています。
大手外資系製薬メーカーの多くの会社では、ハラスメントに対して厳しく対処していると思いますので、社内でハラスメントが横行している会社は少ないと思いますし、基本的にホワイトな環境だと思います。
また、研修制度が充実している会社が多く、業務のゴールデンスタンダードを学ぶには非常に良いと思います。
デメリット
年収はそこそこ
デメリットの1つ目は、年収に関してです。
メガファーマの年収は悪くはないですが、外資系バイオベンチャーに比べると、見落りしてしまいますね。
@Goldphさんのツイートを以下に貼付していますが、メガファーマの年収はおおよそ以下の通りです。
(会社や部署により、多少の前後はあります。)
2020年に国税庁から発行された「民間給与実態統計調査」によると、年収1,000円以上の人は全体の4.8%に該当しますので、(男性:7.6%、女性:1.2%)、メガファーマの年収は世間一般で考えるとかなり高い部類に入ります。
なお、外資系バイオベンチャーは、キャッシュに加えてRestricted Stock Unit(RSU)を支給している会社が多くあります。
メガファーマの場合は、RSUは一部の極めて評価が高い社員や部長クラス以上に支給される傾向にありますので、大多数の社員には支給されていません。
「RSUって何?」という方は、以下の記事をご覧ください。
また、開発職では、頻繁に「製薬メーカー vs CRO」が話題となりますが、CROの年収について以下の記事に纏めていますので、こちらも併せてご覧ください。
私のまわりでは、メガファーマでユルフワな働き方をしている人が多くいますので、コスパが良い環境と言えるかもしれません。
業務範囲が狭く、裁量が小さい
2点目のデメリットは、中堅内資系製薬メーカーに比べて業務範囲が狭く、裁量が小さい点です。
なぜ、「中堅」とつけたかと言うと、大手内資系製薬メーカーの多くはアメリカに開発拠点を置いているため、外資系と同じような縦割り組織になっている会社が多くあります。
そのため、内資系製薬メーカーの中でも大手は外資系と近く、中堅の方が業務範囲が広く、裁量が大きい傾向にあると言えます。
外資では、どの会社でもグローバルの方針に従うことが第一でありますが、中堅内資であれば日本に開発拠点を持ち、日本主導で進められることがたくさんあると思います。
そのため、中堅内資に比べると、外資系では業務範囲が狭く、裁量も小さい傾向にあります。
中堅内資系内資メーカーは、日本に開発拠点を置いている点が仕事の醍醐味ですね!
海外への駐在が難しい
3点目のデメリットは、内資系製薬メーカーに比べると海外への駐在が難しい傾向にある点です。
外資では、優秀な一部の社員はアメリカやEUのHeadquarterに移ることがありますが、内資の海外駐在に比べると頻度は低いと思います。
その理由は、内資はグローバル全体におけるHeadquaterが日本にありますので、Headquaterの社員を各国現地法人に派遣する、という位置づけになりますので、内資の方が海外駐在がしやすい傾向にあります。
そのため、本当に英語ができる人は、外資よりも内資の方がその能力が活かせると思います。
まとめ
この記事では、大手外資系製薬メーカーのメリットとデメリットについて記事に書いてみました。
・豊富なパイプライン
・社内公募が盛んであり、キャリア形成がしやすい
・ホワイトな労働環境 / 充実した研修
【デメリット】
・年収はそこそこ
・業務範囲が狭く、裁量が小さい
・海外への駐在が難しい
メリット・デメリットがそれぞれ存在しますが、私自身はメガファーマは非常に良い環境だと思っています。
メガファーマよりもバイオベンチャーの方が好きな人もいると思いますし、人それぞれ好みがあると思いますが、メガファーマには総じて良いところも多いと思いますので、興味がある人は積極的にチャレンジしてみてください。
メガファーマの中には、社内でCRAをたくさん抱えている会社もあり、定期的にCRAの中途採用の募集もかかりますので、CRAでの転職を狙っている人は事前にエージェントに登録しておく必要がありますね!
では!
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