大手外資系製薬メーカー 自社CRAの数ってどれくらい?

2022年3月1日

どうも、はるきちです。

今日は大手製薬メーカー各社に自社CRAがどの程度在籍しているかを見ていきたいと思います。

具体的に数で「何人ぐらい」とお伝えできれば良かったのですが、具体的な数までは把握できておりませんので、どの程度在籍しているか、という点をお伝えしたいと思います。

近年の製薬メーカーの自社CRA数の推移

まず、近年の製薬メーカーの採用トレンドですが、以前と比較し一定数の自社CRAを確保する傾向にあります。

その傾向は、どちらかというオンコロジー領域に力を入れている製薬メーカーに目立った傾向だと思います。

一時期は自社CRAの中途採用が全く行われていない時期もあり、その時期にCROでCRAをやっていた方々にはなかなかチャンスが訪れない状況だったと思います。

近年は以前より求人数が増えておりますので、製薬メーカーへの転職を希望している人は積極的に応募しましょう!

そのためには、たくさんのエージェントに登録して、新規求人がOpenになった際に即応募できるよう、常に心の準備をしておくことが大切です。


職務経歴を定期的にUpdateしておけば即座に応募できますので、定期的なメンテナンスを実施しましょう!

大手製薬メーカー各社の状況

以下に2018年の世界ランキング ベスト10の会社を示ししており、自社CRAの在籍状況を記載しております。

各社自社CRAの雇用についてはそれぞれの方針がありますので、過去の紆余曲折も含め、会社ごとに見ていきたいと思います。

ロシュ(中外製薬)

中外製薬には自社CRAは在籍していません。

中外製薬グループ内に中外臨床研究センターというCROがあり、中外臨床研究センターのCRAが中外製薬の試験を実施しています。

また、中外製薬は 中外臨床研究センター以外のCROにもモニタリングをアウトソースしております。

中外製薬は新卒は採用も行っておりますが、中外製薬にはCRAがいないため、中外製薬の新卒さんはCRAを経験せず、そのまま昇進していくことになります。

今後のキャリアを考えると、CRA経験の有無は非常に大事ですし、CRAが経験があればまた違ったキャリアを築ける可能性があります。

そのため、新卒で入社する際は、CRAとして数年は稼働できる会社をお勧め致します。

ファイザー

ファイザーにはもともと自社CRAがいましたが、2011年に大手外資系CRO 2社とGlobalで包括契約を締結し、ファイザーの試験のモニタリングは全て大手外資系CRO 2社が担当することになりました。

それと同時にファイザーの自社CRAはRole changeを行い、違う部署に異動しましたが、その後ファイザー社内でも自社CRAの雇用について議論があったようです。

現在は少数ながら、自社CRAがいます。

CRAの中途採用は基本的に行っておらず、新卒及び他部署からの異動で賄っているようです。

ノバルティス

ノバルティスにも一定数自社CRAがいます。

念に1回ぐらいはCRA職の中途採用の求人が出ており、特定派遣のCRAも一定数在籍しています。

2013年に発覚したディオバン事件により一時的に企業ブランドが汚されましたが、現在は膿を出し切り、会社としてかなりホワイトになったと聞いております。

ノバルティスのCRA職として転職する際の注意点としては、ノバルティスはプライマリーとオンコロジーで部門が分かれており、その部門間で異動ができません。

そのため、オンコロジー事業本部に入社した場合はオンコロジー領域以外に携わることができませんので、どちらに応募するかはしっかりと吟味し、どの領域に携わりたいかをしっかりと考えておく必要があります。

メルク(MSD)

自社CRAが一定数おり、年に1回ぐらいの頻度でCRA職の中途採用の求人が出ており、特定派遣のCRAも一定数在籍しています。

試験のほとんどはキイトルーダの適応追加ですので、オンコロジー経験者が重宝されております。

キイトルーダは今を時めく旬の薬剤ですが、キイトルーダ以降の開発品目が手薄であるため、キイトルーダの適応追加の開発がひと段落した後が少し気になりますね。

GSK

自社CRAが一定数おりますが、正社員は非常に少なく、CROからの特定派遣が大半を占めております。

私は8年間転職活動をしており、常に5社のエージェントに登録しておりましたが、GSKのCRA職の中途採用の求人はお目にかかったことがありません。

そのため、正社員のCRAを積極的に採用していく方針では無いと考えられます。

ヤンセン

自社CRAが一定数おり、年に1回ぐらいの頻度でCRA職の中途採用の求人が出ており、特定派遣のCRAも一定数在籍しています。

ヤンセンには重点領域が6個あり、代表的な領域としてオンコロジー、免疫、CNSが挙げられます。

そのため、中途採用の求人では、上記の領域の経験が求められているケースが多く、かつ大学病院や基幹病院担当の経験も求められております。

サノフィ

自社CRAはおりますが、非常に少ないと思われます。

数年前にサノフィの知り合いと話した際に聞いたのですが、サノフィの開発で新卒入社した一番下の人でも30歳代前半のようで、CRA職の新卒採用はここ最近はずっと行っていないとのことです。

中途採用についても積極的に実施しているわけでは無く、私が転職活動中にCRA職の中途採用の求人を見たのは1回だけです。

一時期開発品目が非常に少なくなっており、そのため自社CRAの採用を控えていたと思います。

サノフィもモニタリングは基本的にはCROにアウトソースしております。

アッヴィ

Globalの方針により、自社CRAで全ての試験を担当する方針となっております

CRAの構成としては、正社員と特定派遣のCRAで1:1に近い割合で、特定派遣のCRAも人によっては正社員としてアッヴィに転籍しているようです。

私が知る範囲では、大手製薬メーカーの中で全て自前で試験を行っているのはアッヴィだけです。
なかなかユニークな方針ですね。

アッヴィに限らずどの会社にも言えますが、Globalのトップが変わった際に会社の方針がガラッと変わることがあります。

現時点では100%自社in-houseで試験を回しておりますが、アウトソースに舵を切った際の反動も大きいことが懸念されます。

イーライリリー

以前は自社CRAがおりましたが、2012年にClinical Development Liaison(現在のClinical Development Consultant)の導入以降、自社でCRAは抱えておりません。

モニタリングはCRO数社にアウトソースしており、自社にはClinical Development Consultantがおります。

Clinical Development Consultant は正社員・契約社員・CROからの特定派遣で構成されているようですね。

リソース関係上、数年前に一斉に契約社員を切っていましたが、その後再び募集を開始しています。

Clinical Development Consultantって何?という疑問を抱く方が多いと思いますので、以下に Clinical Development Consultantについて記載したブログを貼付しております。

アムジェン(アステラス・アムジェン)

アムジェンは一度日本から撤退しておりますが、日本撤退前は自社CRAがおりました。

2013年に日本に再上陸して以降は自社でCRAを抱えておらず、モニタリングは大手外資系CROにアウトソースしております。

なお、当社ではStudy Managerも自社では抱えておらず上記の外資系CROにアウトソースしているようです。

番外編:ブリストル・マイヤーズ・スクイブ、アストラゼネカ

2018年時点では、Globalのランキング10位以内には入っておりませんでしたが、自社CRA数が比較的多い両社も紹介したいと思います。

まず、ブリストル・マイヤーズ・スクイブ(BMS)ですが、CRAの中途採用が年に1回ほど出ており、自社CRAが一定数在籍しています。

皆さんご存知の通り、BMSはセルジーンを買収したためPipelineがかなり拡充されたわけですが、セルジーンは元々自社でCRAを抱えておりませんでしたので、BMSは試験数が多い割に自社CRAの比率が下がったと思われます。

そのため、今後も定期的にCRAの中途採用の求人が出る可能性がありますので、求人が出る前にしっかりと準備をしておきましょう。


次に、アストラゼネカ(AZ)ですが、自社CRAの数はかなり多く、CRAの中途採用を年に1回ほど行っています。

5年ほど前にCRAを大量に増やしており、自社CRAは基本的にオンコロジーの試験を担当しているようです。

まとめ

製薬メーカー全般としては自社CRAは増員傾向にありますが、各社それぞれの方針があり、全く自社CRAがいない会社もあります。

ここ数年のトレンドとしては、オンコロジー経験が無いと応募できない求人が多数という感じです。

製薬メーカーに転職したいCROのCRAの方は、社内でオンコロジーの試験に異動できるか、まずは異動の希望を出した方が良いでしょう。

オンコロジー経験が既にあるCRAの方は、諦めずに積極的に応募しましょう!

では!

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