シンバイオ製薬 CRAの不適切行為発覚

2020年2月23日

2019/10/18にシンバイオ製薬から出されたプレスリリースによると、CRAによる不適切行為があったそうです。

具体的に何が不適切だったかというと、 とあるCRAが担当していた2施設において「安全性情報等に関する報告書」に治験責任医師の見解及び署名を自書し、医療機関に対して同報告書を提出していた、ということみたいですね。
https://www.symbiopharma.com/news/20191018.pdf

今日はこの不適切行為について、私自身の考えを書いていこうと思います。

なぜ、このような不適切行為が起きたのか?

プレスリリースには、このCRAが不適切行為に及んだ原因については記載されておりません。

これは私の推測ではありますが、今までこの2施設では責任医師の見解を得るのに時間を要しており、 「安全性情報等に関する報告書」 を施設に提出するのに苦労していた。施設への提出が遅いため、当該CRAはチームリーダーや上司に社内で責められていたため、今回の不適切行為に走った、というのが私の推測です。

この推測が正しい場合ですが、CRA経験がある身としては不適切行為に及ぶ気持ちもわからなくはない、というのが私の考えです。

以前、私がCROのStudy Managerを担当していた時に、どんなNegativeな報告内容にも決して怒らない依頼者のStudy Managerの方がいらっしゃいました。

Negativeな報告の度合い及び頻度にもよりますが、それが頻発すると「御社ではどのような管理体制でモニタリングをされているのでしょうか?」というクレームめいた文言が聞こえてきそうですが、その依頼者のStudy Managerの方は決して怒りませんでした。

人間は誰しも不適切行為に走る可能性がある。

私はその後製薬メーカーに転職しましたが、その決して怒らない Study Managerの方と知り合いの方が社内にいまして、そのことを聞いてみたところ、
「腹の中では激怒している時があるが、怒った素振りは出さないように心掛けている。怒ったことにより相手に恐怖心を与えるとNegativeな報告がしずらくなり、やがて隠蔽や不正に発展する可能性がある。隠蔽や不正に走られるくらいなら、Negativeな内容をありのままに報告してもらう方がずっといい。」と仰っていたそうです。

非常に深い話ですよね。私も結構怒りやすい方だと思いますので、この言葉を聞いた時にハッとしましたし、厳しく叱責し過ぎることが不適切行為を生み出すことの一因になり得る可能性があることを覚えておく必要があります。


SMO ノイエス株式会社でも不適切行為が発覚

話が変わり、今度はCRCについてですが、ノイエスのCRCによる不適切行為が2019/12/3のプレスリリースに掲載されております。
http://www.neues.co.jp/wp-content/uploads/2019/12/20191203.pdf

不適切行為の内容としては(原文そのまま)、
不適切行為①:
・臨床試験中の状態を入力するために被験者に貸与すべき電子日誌を、CRCが臨床試験期間中の来院期間終了のタイミングで回収し、被験者に対して問題があれば連絡してほしい旨を伝えたうえで、連絡がない場合は問題がないものと判断し、被験者に代わり、ログインおよびチェックイン(電子日誌のチェックインボタンを押す行為)を行いました。
・一部の被験者において、当初から電子日誌を貸与せず、被験者の状態を十分に行わず、CRCが被験者として被験者の状態を入力しました。

不適切行為②
・臨床試験中に規定された来院時の採血時間ならびに服薬時間について、治験実施計画書からの逸脱を免れようとして、CRCが本来実施された時間とは、異なる時間を検査伝票ならびにワークシートに記載しました。


なぜこのような不適切行為に及んだのか、原因は不明ですが、SMOのCRCによる不適切行為はここ数年で何件か報告されております。

〇サイトサポート・インスティテュート株式会社
https://www.cmicgroup.com/files/user/corporate/pr/pdf/pr20131220.pdf
〇株式会社EP綜合
https://www.epsogo.co.jp/common/editor/files/20170906.pdf

不適切行為に走りそうになったら、その後のことを考えよう!

不適切行為に及んでしまう原因はそれぞれだと思いますが、不適切行為に走りそうになったらその後のことを考え、一旦立ち止まってみてください。

不適切行為が発覚した後の処遇、業界内での噂、自社の信頼損失など自分自身や会社に対して与える損失は計り知れないと思います。

人間はミスをする生き物です。
CRAもミスをしますし、施設の医師、CRCも同様だと思います。
重要なことをミスをありのままに報告し、以降同じミスは繰り返さない姿勢だと思います。

不正をしても良いことはありませんので、ありのままを報告しましょう!

では!

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